小幅上昇、米株高を好感も円高で上値重い

16日午前の日経平均株価は反発し、前日比79円90銭(高の2万6767円74銭で終えた。米追加経済対策などへの期待を背景に年初来高値(2万6817円)を一時上回ったが、その後は高値警戒から利益確定売りがかさんで次第に伸び悩んだ。
 
前日の米国株高が買い材料となった。日本時間17日未明に結果が発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融緩和強化が打ち出されるとの見方などから前日の米国株が上昇。東京市場でも投資家のリスク許容度が高まって景気敏感株などに買いが入り、日経平均の上げ幅は朝方に190円に迫る場面があった。ソフトバンクGや任天堂など米国株と連動性の高い銘柄が買いを集めた。
米食品医薬品局(FDA)が米バイオ製薬モデルナの新型コロナウイルス向けワクチンについて「感染防止に有効で安全性も高い」との検証結果を示し、緊急使用が認可されて経済活動の正常化へ前進するとの見方が広がったのも相場を支えた。
 
しかし、為替が1ドル=103円台半ばの円高に振れたため、輸出関連銘柄を中心に利益確定売りが増え、東証1部全体で急速に上値が重くなった。心理的節目の2万7000円の接近で高値警戒感が次第に強まった。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も反発した。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆557億円、売買高は5億5390万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1000、値下がり銘柄数は1066と拮抗した。変わらずは116銘柄だった。
 


業種別株価指数(全33業種)は情報・通信業、電気機器、銀行業が上昇し、金属製品、サービス業、陸運業は下落した。
 
個別では、任天堂が買いを集めた。ソフトバンクGがにぎわい、ファーストリテは堅調。IHIや三菱重、キヤノンやコニカミノルが買われた。日産自や三菱自が上昇し、シャープやパナソニックも高い。
半面、村田製、東エレクの売りが厚く、ヤマハが売られ、中外薬やアステラスも下落した。エムスリー、SUMCO、リクルートHD、JR東日本、ANAも安い。
 
東証2部株価指数は前日比12.68ポイント安の6743.66ポイントと3日ぶり反落した。
出来高1億7995万株。値上がり銘柄数は200、値下がり銘柄数は183となった。
 
個別では、梅の花、東京ソワール、ムーンバット、フレンドリー、ビーイングホールディングスが年初来安値を更新。中国工業、リード、松尾電機、天昇電気工業、児玉化学工業が売られた。
 
一方、誠建設工業がストップ高。Abalanceは一時ストップ高と値を飛ばした。ICDAホールディングス、クロスプラス、日本製罐、ヒラノテクシード、テクノスマートなど11銘柄は年初来高値を更新。土屋ホールディングス、共和コーポレーション、STIフードホールディングス、黒田精工、セキドが買われた。
 

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