17日のNYダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに小幅反落し、前日比15ドル90セント(0.03%)安の4万1606ドル18セントで終えた。前日に最高値を付けた後で、主力株には利益確定売りが出た。もっとも、米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和が景気を支えるとの期待は根強く、ダウ平均は上昇する場面もあった。
ダウ平均は16日に最高値を更新した。前日までの4営業日で880ドルあまり上昇し、17日は高値警戒感から主力株に売りが出た。米債券市場では長期金利が上昇し、金利と比べた株式の相対的な割高感が意識されたのも重荷だった。
ただ、ダウ平均の下値は堅かった。朝方から幅広い銘柄に買いが先行し、上げ幅が200ドルを上回る場面もあった。
朝方発表された8月の米小売売上高は前月比0.1%増と、予想(0.2%減)に反して強い内容だった。個人消費の底堅さに好感が広がり、ダウは一時、取引時間中の最高値を更新。ただ、連邦準備制度理事会(FRB)がこの日から2日間の日程で開くFOMCの内容を見極めたいとの思惑から利益確定の売りも進み、マイナス圏に沈んだ。
市場では、インフレ鈍化や雇用減速などを背景に、通常の2回分に相当する0.5%の大幅な利下げ観測が強まっている。一方、0.25%の引き下げにとどまるとの見方もあり、「今回ほど予測が難しいのは珍しい」との声が聞かれる。
個別ではインテルの上昇が目立った。半導体の受託生産(ファウンドリー)事業の分社化など経営再建策を示し、好感された。ダウやアメリカン・エキスプレスが買われたほか、キャタピラーやウォルト・ディズニーも上げた。半面、ウォルマートやベライゾン・コミュニケーションズ、ユナイテッドヘルス・グループは下げた。
ナスダック総合株価指数は反発した。前日比35.934ポイント(0.20%)高の1万7628.061で終えた。アルファベットやネットフリックスが上昇した。
【シカゴ日本株先物概況】
17日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比25円安の3万6410円で終えた。
この日は日経平均株価が大幅下落した。
また、NYダウ平均は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を控えて様子見ムードが広がる中、5営業日ぶりに反落した。
米株式相場はさえない展開だったため、シカゴ市場の日経平均先物にも売りがやや優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
36410 ( +400 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
36580 ( +570 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
FTSEの構成銘柄では、業績見通しを上方修正したホームセンター大手キングフィッシャーが11.23%高と急伸。格安航空大手イージージェットが6.18%高、小売り大手JDスポーツ・ファッションが3.50%高で続いた。一方、航空・防衛大手BAEシステムズは4.68%安、たばこ大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコは2.36%安、製薬会社ヒクマ・ファーマシューティカルズは1.95%安。
17日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前日比92.97ポイント(0.49%)高の1万8726.08で終えた。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を18日に控え、米利下げ観測が投資家心理を支えた。
個別では、通販大手ザランドが7.33%高、エネルギー大手シーメンス・エナジーが4.26%高、商用車大手ダイムラー・トラックが3.51%高と買われた半面、防衛大手ラインメタルは6.75%安、航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズは2.42%安、ハノーバー再保険は1.64%安で取引を終えた。
フランスの株価指数CAC40は前日比0.50%高で終えた。米連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅利下げが決まるとの観測から楽観ムードが広がった。
