小反落 米株安が重荷

21日午前の日経平均株価は小幅に反落し、前引けは前日比19円33銭(0.07%)安の2万8638円24銭だった。直近の上昇基調で年初来高値圏にあったため、利益確定売りに押された。
前日のNYダウが反落したこともあり、日経平均が朝方は値を下げてスタート。ただ、売り一巡後は下値には買いが流入し切り返し、一時120円を超える上昇となる場面があった。しかし、上値では売りに押され再び小幅なマイナス圏に転じた。その後は一進一退が続いた。手掛かり材料難のなか週末ということもあり、様子見姿勢も強まっている。
一方で、半導体関連銘柄の大幅な上昇が相場全体の地合いを支えた。
 
米国では軟調な経済指標が相次ぎ、景気の先行き不透明感が高まっている。1〜3月期の決算が大幅減益となった電気自動車(EV)大手のテスラは10%近く急落し、東京市場でも自動車株に売りが広がった。米金利の低下を受けて銀行株や保険株も弱かった。日経平均は朝方に100円超下落した。
 
一方、米ラムリサーチなどの決算を受けて半導体市況の底入れ期待が高まるなか、前日に決算を発表したディスコが急伸した。東エレクなど指数寄与度の高い半導体関連株も急伸し、指数を下支えした。
 
東証による低PBR(株価純資産倍率)企業への改善要請や日銀の金融緩和スタンスを背景とした、海外投資家の日本株買いの継続への期待も強く、日経平均は上げ幅を120円超に拡大して18日に付けた年初来高値(2万8658円)を上回る場面もあった。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆2898億円、売買高は5億2353万株だった。東証株価指数(TOPIX)は小幅に続落した。東証プライムの値下がりは742銘柄、値上がり銘柄数は953、変わらずは140銘柄だった。
 
 
先週から連日にわたり、東証プライム市場の売買代金は2兆円台前半の状況が続いており、商いは盛り上がりに欠けている。上述の海外投資家の買いについては、東京証券取引所によるPBR1倍割れ企業への改善要請の動きや、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏の追加投資報道などをきっかけに日本株の見通し機運が高まっている故との指摘もある。
 
1-3月の間に日本株を大きく売り越してきた海外勢が買い戻したに過ぎないとも言える。年始からの累計でみると、海外勢は最新の4月第14日時点において現物株を1700億円程の買い越しに転じてきた。これは米シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻に端を発した金融システム不安が後退する中、主力企業の1-3月期決算シーズンの本格化を前にポジションを一度中立に戻したかったからかもしれない。
 
 

 


業種別株価指数(33業種)は銀行業、鉱業、保険業などが下落した。上昇は機械、電気・ガス業、金属製品など。
 
きょう東証プライム市場に上場した楽天銀は10時3分に公開価格(1400円)を456円(32.6%)上回る1856円で初値を付けた。その後も堅調に推移し、前場の終値は1949円だった。
 
個別銘柄では、三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループといった銀行株が軟調。日産自動車やトヨタ自動車など自動車株も値を下げた。ソフトバンクグループやファーストリテイリング、オリエンタルランドも安い。日産自、楽天グループ、SBG、ニデックは下落した。
 
半面、レーザーテックや東京エレクトロン、ディスコなど半導体関連株が高く、メルカリや日立製作所がしっかり。
アドテスト、Jフロント、NXHD、凸版が上昇した。
 

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