小反発47ドル高、債務上限問題が重荷

15日のNYダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反発し、前週末比47ドル98セント(0.1%)高の3万3348ドル60セントで終えた。イエレン米財務長官が13日、米債務上限問題を巡る交渉について「進展している」との認識を示した。市場の過度な警戒が和らぎ、主力株の一部に買いが入った。前週末まで5日続落していたため、自律反発狙いの買いも支えだった。

バイデン米大統領は前日、債務上限の引き上げを巡り、16日に野党共和党のマッカーシー下院議長と会談するとの見通しを示した。合意に向け、「楽観的だ」と説明したが、共和党は歳出削減を条件にしており、折り合うのは難しいとの観測が出ている。

ダウ平均は売りが先行して取引を開始。一時100ドル超下落した。その後持ち直してプラス圏に浮上したが、上値は重く上げ幅は小幅にとどまった。

ただ、マッカーシー下院議長が15日、「(見解には)大きな隔たりがある」と述べた。解決に向けた障壁は多く、積極的に株式を買う動きは広がらなかった。

ダウ平均は140ドル近く下げる場面があった。ニューヨーク連銀が15日朝に発表した5月の製造業景況指数はマイナス31.8と、前月(プラス10.8)から大幅に悪化した。景気悪化を示す材料として、幅広い銘柄に売りが出た。

半導体のインテル、クレジットカードのアメリカン・エキスプレス、ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスが上昇した。半面、通信のベライゾン・コミュニケーションズ、医療保険のユナイテッドヘルス・グループ、小売りのウォルマートが下落した。

ナスダック総合株価指数は反発した。前週末比80.466ポイント(0.7%)高の1万2365.209で終えた。半導体メモリーのマイクロン・テクノロジー、半導体製造装置のアプライドマテリアルズが上昇した。

 


【シカゴ日本株先物概況】

15日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前週末比295円高の2万9870円で終えた。
NYダウは、米連邦政府の債務上限問題が重荷となる中、小反発した。同日の米株式相場が上昇し、日経平均先物にも買いが波及した。

シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
29870 ( +200 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
29880 ( +210 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7777.70(+23.08)

15日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前週末に比べ23.08ポイント(0.30%)高の7777.70で終えた。15日の中国株高で投資家心理が上向いた。金融大手HSBCホールディングスやロイズ・バンキング・グループなど銀行セクターの買いが目立った。銅やアルミニウムなど非鉄金属相場の上昇で資源セクターにも買いが入った。

個別では、プライベート・エクイティ会社3i(スリーアイ)グループが2.60%高で上昇率首位。エネルギー小売り大手セントリカが2.44%高、物流施設大手セグロが2.06%高で続いた。一方、オンライン食品販売大手オカド・グループは2.36%安、航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスは2.16%安、複合企業DCCは1.38%安だった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15917.24(+3.42)

15日のドイツ株価指数(DAX)は小幅に続伸し、前週末に比べ3.42ポイント(0.02%)高の1万5917.24で取引を終えた。小売りやヘルスケアなどディフェンシブ株の一角が上昇した。半面、ドイツ長期金利の上昇を嫌気したテクノロジーセクターの売りが指数の重荷となった。

個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジーが2.46%高、日用品大手ヘンケルが2.31%高、医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズが1.93%高。半面、通販大手ザランドは1.46%安、ドイツ取引所は1.26%安、半導体大手インフィニオンは0.96%安と売られた。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7418.21(+3.36)

フランスCAC40種指数は0.05%高だった。
世界的な金属価格の上昇を受けて鉱業株も堅調だった。独、仏市場もプラス圏で引けたものの、上げ幅は限定的だった。

 

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