17日午前の日経平均株価は小反発し、前日比3円59銭(0.02%)高の2万2773円95銭で終えた。
前日の中国株急落を受けて欧米市場の投資家心理が後退し、各国の主要指数は軒並みマイナスとなった。東京株式市場にもこの影響が及び、取引が進むと値下がりに転じる銘柄が増えた。新型コロナウイルスのワクチン開発期待が支えとなる一方、足元の世界的な感染拡大ペースの速さを警戒する声も多く上値を抑えた。
米製薬大手のジョンソン・エンド・ジョンソンが16日、新型コロナのワクチン開発を前倒しし、早ければ9月中にも最終段階の臨床試験(治験)を始めると発表。ワクチン開発をめぐるニュースが最近相次いでおり、買い材料視された。香港株などアジア株が堅調に推移しているのも支えとなった。
一方で日経平均は下げに転じる場面もあった。米国で16日の新型コロナの新規感染者数が7万人を超えて過去最多になったと伝わり、警戒した売りが出た。国内でも新規感染者は緊急事態の宣言解除後の最多を更新し、懸念は根強い。
市場関係者は「今週はワクチン開発期待で相場水準が上昇したが、感染者数が増えて景気回復期待が後退している」と話していた。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は小反発した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で9051億円、売買高は5億230万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は896と、全体の約4割を占めた。値下がりは1180銘柄、変わらずは94銘柄だった。
業種別株価指数(全33業種)では、電気・ガス業、医薬品、情報・通信業の上昇が目立った。下落は空運業、不動産業、鉄鋼など。
個別では、トヨタは強含み。アドバンテストやスクリンなど半導体関連株の一角が買われた。日立、日本電産も堅調。エーザイや中外薬、ソフトバンクG、東電HD、東ガスも上昇した。
一方でJALやANAHD、日本製鉄やJFE、住友不、東建物も値を下げた。日本紙や王子HD、ニコンやリコーも安い。
東証2部株価指数は前日比13.33ポイント高の6526.55ポイントと4日ぶり反発した。
出来高8989万株値上がり銘柄数は134、値下がり銘柄数は223となった。
個別では、ビットワングループ、エルアイイーエイチ、東京衡機が年初来高値を更新。赤阪鐵工所、グリムス、カワセコンピュータサプライ、JESCOホールディングス、フォーシーズホールディングスが買われた。
一方、サイバーステップ、那須電機鉄工、梅の花、フレンドリーが年初来安値を更新。ツインバード工業、パシフィックネット、サイオス、JMACS、アドテック プラズマ テクノロジーが売られた。
