大幅続落、1カ月ぶり2万9000円割れ 

1日午前の日経平均株価は大幅に続落し、前日比590円83銭安の2万8861円83銭で終えた。
前日の米株式市場では主要3指数がそろって下落したことを受け、東京株式市場でも売りが先行した。米国では議会上下院が9月30日に12月3日までの連邦政府の資金を手当てするつなぎ予算案を可決した。政府機関の一部閉鎖を回避したものの、債務上限問題を解決するめどが立っていない。政府資金が枯渇する可能性が高まり、運用リスクを回避する動きが強い。米国の政府債務の上限問題など先行きの不透明感が強まるなかで、運用リスクを回避したい投資家が週末を前に買い持ち高を手じまう動きを加速させた。
 
日銀が発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)では大企業・製造業の業況判断指数が市場予想を上回ったこともあり、朝方下げ渋る場面があったが、時間外取引でのNYダウ先物の下落とともに下げ幅を拡大した。一時は9月3日以来約1カ月ぶりの安値水準となった。
 
国内では自民党の新執行部の顔ぶれが伝わった。組閣は週明けの10月4日となる見通し。「自民総裁選を材料とした取引は一巡し、米国の量的金融緩和の縮小(テーパリング)が目前に迫るなかで、米国の債務上限問題や中国経済の減速リスクなどが改めて意識され、株式市場から資金流出が起きやすくなっている可能性がある」との声があった。
 
この数日は期末の持ち高調整にからんだ動きも観測された。「ファンダメンタルズとはかけ離れた動きもあって、週内の売買を手控えようという投資家も多い」との指摘があった。
 
東証株価指数(TOPIX)は続落し、午前終値は前日比41.15ポイント安の1989.01だった。約1カ月ぶりに2000を下回った。JPX日経インデックス400も続落した。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆8007億円、売買高は6億8924万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1951と、全体の約9割を占めた。値上がりは182、変わらずは39だった。
 
 



業種別株価指数(33業種)はその他製品、金属製品、卸売業などが下落。上昇は鉱業だけだった。
 
個別では、前日の引けにかけて日経平均採用に伴う買いが入った任天堂は大幅安となり、村田製や川崎船やファーストリテの下げが目立つ。公募増資実施を発表したSUMCOは4%近く下落し、その他売買代金上位も郵船、ソフトバンクG、東エレクなど全般軟調となった。川重やIHIが下落し、三井化学や住友化も売られた。
一方、売買代金上位ではレーザーテックと商船三井が逆行高。日電硝、NTTが上昇した。
楽天グループは楽天銀行の上場準備を発表し、東芝は米ファンドの保有株買い増しが報じられて買われている。また、大規模な自社株買い実施を発表したグリーはストップ高水準での買い気配が続いている。
 
東証2部株価指数は前日比72.71ポイント安の7688.10ポイントと4日続落した。
出来高は7920万株。値上がり銘柄数は86、値下がり銘柄数は312となった。
 
個別では、山喜、昭和化学工業、フマキラー、AIメカテック、インスペックなど7銘柄が年初来安値を更新。ニッチツ、倉庫精練、扶桑電通、日本ピグメント、田岡化学工業が売られた。
 
一方、スーパーバッグ、三京化成、青山財産ネットワークスが年初来高値を更新。富士ソフトサービスビューロ、理経、ジー・スリーホールディングス、ダイハツディーゼル、南海プライウッドが買われた。
 

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