【寄り付き概況】
9日の日経平均株価は大幅に続落して始まった。始値は前週末比406円44銭安の2万0343円31銭。取引時間中として2019年1月7日以来、約1年2カ月ぶりに節目の2万円を下回った。その後下げ幅は900円を超え、1万9700円台と19年1月4日以来の安い水準を付ける場面があった。
前週末の主要株指数が下値を探る動きを続けたほか、足もと外国為替市場でドル売り・円買いの動きが加速、一時1ドル=103円台まで一気に円高が進んでおり、これを受けて東京株式市場でも主力輸出株をはじめ広範囲にリスク回避の売りに晒され全面安の展開となっている。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も続落している。TOPIXは昨年来安値を下回った。
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟産油国による協調減産強化に向けた交渉が決裂したことを受けて原油先物相場が急落しており、オイルマネー収縮への警戒感も重荷となっている。
寄り付き前に内閣府が発表した10~12月期の国内総生産(GDP)改定値は、物価変動を除いた実質で前期比1.8%減、年率換算では7.1%減だった。いずれも速報値から下方修正となり、景気減速が改めて意識されている。
朝方寄り付き開始前に北朝鮮が飛翔体を発射したと韓国軍が発表したことも、買い手控えムードを助長する形になっている。
一方、騰落レシオなどの投資指標は目先売られ過ぎの領域にあり、大きく下値に突っ込む場面ではリバウンド狙いの買いを誘導する可能性もある。
個別では、出光興産、コスモエネルギー、国際帝石など石油関連株に下げが目立つ。ソニー、村田製、日本電産など主力株が軒並み売り気配から始まり、東エレクやTDKなどハイテク関連株の一角も安い。トヨタやホンダなどの自動車株も下げている。ファストリやソフトバンクグループなど日経平均への影響度が高い値がさ株もそろって安い。
JXTG、出光興産、日産自、ホンダも売り気配を切り下げている。
人気はアルチザ(6778)、免疫生物(4570)、アゼアス(3161)、TKP(3479)、JINS(3046)、マナック(4364)、SG(9143)、宝(2531)、日立化成(4217)、セブンアイ(3382)、AICROSS(4476)、興研(7963)、日エアー(6291)、セリア(2782)、出前館(2484)。
