4日のNYダウ工業株30種平均は大幅に続伸し、前日比825ドル43セント(2.8%)高の3万0316ドル32セントと2週ぶりの高値で終えた。2日間の上昇幅は1590ドルに達した。主要な中央銀行が利上げペースを緩めるとの見方が広がり、株式を買い直す動きが優勢となった。
朝方発表された8月の雇用動態調査(JOLTS)によると、非農業部門の求人数は2カ月ぶりに減少し、市場予想を下回った。前日の米サプライ管理協会(ISM)製造業購買担当者景況指数も2年超ぶりの低水準を示しており、FRBの利上げペースが鈍化することへの期待感が広がった。
また、この日も長期金利の低下が好感され、ハイテク株が買われたほか、9月の相場急落を受けた反動で前日に続き買い意欲が旺盛となり、ダウは終日大幅高で推移した。ただ、市場には週末の雇用統計を見極めたいとの警戒感もあった。
オーストラリア準備銀行(中銀)が4日、0.25%の利上げを決めた。前回までの4会合と同様に0.5%の利上げを続けるとの市場予想に反して、利上げ幅を縮小した。欧米の主要中銀が景気減速に配慮して、利上げを減速するとの見方につながった。
4日の米債券市場で長期金利は前日終値(3.64%)を下回る場面が目立った。ダウ平均は9月月間に9%安下げ、短期的な売られ過ぎが意識されていた。長期金利の上昇一服で相対的な株式の割高感が薄れ、幅広い銘柄が買い直された。
航空機のボーイングや建機のキャタピラーなど景気敏感株が上昇をけん引。ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株の上げも目立った。長期金利が低下すると買われやすい高PER(株価収益率)のハイテク株も総じて上昇した。
交流サイトのツイッターが22%高と急騰し、市場の関心を集めた。テスラ創業者のイーロン・マスク氏が保留していた買収を実行するとツイッターに伝え、買収価格にさや寄せされた。クルーズ船やカジノなど旅行レジャー株も軒並み大幅高となった。
ナスダック総合株価指数も続伸し、前日比360.971ポイント(3.3%)高の1万1176.406で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムなど主力株が上昇。マイクロン・テクノロジーなど半導体株も買われた。
【シカゴ日本株先物概況】
4日のシカゴ日経平均先物は続伸した。12月物は前日比575円高の2万7170円で引けた。
低調な米経済指標を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)による積極的な利上げに対する警戒感が後退し、大幅続伸した。
同日の米株式相場が続伸し、日経平均先物も連れて上昇した。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
27170 ( +260 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
27180 ( +270 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7086.46(+177.70)
4日のFTSE100種総合株価指数は大幅に3日続伸した。前日に比べ177.70ポイント(2.57%)高の7086.46で引けた。主要中央銀行による積極的な金融引き締めが長期化するとの観測が後退し、資源株や銀行株に買いが入った。
FTSEでは、指数構成銘柄の9割強が上昇。賭け屋大手フラッター・エンターテインメントが9.2%高と急伸したほか、オンライン食品販売オカド・グループが8.9%高、資産運用会社インターメディエイト・キャピタル・グループも8.4%高と大きく買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12670.48(+461.00)
4日のドイツ株価指数(DAX)は大幅に3日続伸した。前日に比べ461.00ポイント(3.78%)高の1万2670.48で終えた。世界の中央銀行が金融引き締めに積極的な姿勢を緩めるとの期待から、株式に買いが入った。オーストラリア準備銀行(中央銀行)が4日、政策金利を0.25%引き上げた。前回までの0.5%から利上げ幅を縮小したのもタカ派姿勢が緩んだと受け止められ、株式の買い材料になった。
DAXでは、通販大手ザランドが8.3%高で上昇率トップ。製薬会社サルトリアスが7.7%高、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが7.0%高で続いた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6039.69(+245.54)
フランスCAC40種指数は4.24%高だった。
米欧などの弱い経済指標を受けて各国中央銀行の利上げペースが鈍化するとの思惑から金利が低下。株式などのリスク資産を買い戻す動きが広がった。
