大幅続伸618ドル高、値頃感から買い

23日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前週末比618ドル34セント(2.0%)高の3万1880ドル24セントで終えた。
前週まで8週連続で下落し、その間の下落幅は3600ドル近くに達した。
米連邦準備制度理事会(FRB)が高インフレに対処するために急速に利上げを行い、景気後退を招くとの懸念が、このところ株価の重しとなっている。ロシアによるウクライナ侵攻や中国のロックダウン(都市封鎖)が長引いていることなども、地合い悪化につながっている。
ただ、この日は最近売り込まれた反動で、寄り付きから買いが優勢となった。5月に入ってからダウ平均が1000ドル超下落して引ける日もあり、値頃感が広がった。
 
この日はハイテク株などに割安感や値ごろ感に着目した買いが入った。JPモルガン・チェースなど銀行株が軒並み上昇したのも投資家心理の改善につながった。ダウ平均の上げ幅は700ドルを超える場面があった。
 
JPモルガンは23日開催の投資家向け説明会の資料で、2022年12月期通期の純金利収入の見通しを上方修正した。融資の増加に加え、金利上昇で利ざやが拡大した。同社株は6%高となり、ゴールドマン・サックスやバンク・オブ・アメリカなど他の銀行株にも買いが波及した。
 
バイデン米大統領が23日、中国製品に課している制裁関税の引き下げを「検討している」と述べたのも、インフレ抑制や米中貿易の拡大につながるとみた買いを誘った。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスや建機のキャタピラー、航空機のボーイングなど景気敏感株の上昇につながった。
 
ハイテク株にも押し目買いが入り、スマートフォンのアップルが4%、ソフトウエアのマイクロソフトは3%とそれぞれ上昇した。
5月に入ってからの相場下落で、米株市場には月末にかけ年金基金の資産配分見直しに伴う買いが入るとの観測が出ている。JPモルガンのストラテジストは少なくとも買い需要は340億ドル以上と試算しており、こうした見方も投資家心理の改善につながった。
 
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発し、前週末比180.658ポイント(1.6%)高の1万1535.275で終えた。ネット検索のアルファベットと交流サイトのメタプラットフォームズが上昇した。半導体のエヌビディアとアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も高い。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
31,880.24+618.34
S&P500種
3,973.75+72.39
ナスダック
11,535.275+180.658
FTウィルシャー5000
40,283.09+697.04
NY金(ドル/トロイオンス)
1,847.80+5.70
NY原油(ドル/バレル)
110.01-0.2823日 18:19
円・ドル
127.79 – 127.81+0.21
 
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

23日のシカゴ日経平均先物は続伸した。6月物は前日比370円高の2万7085円で引け、23日の大取終値を35円上回った。
23日の米株式市場では、バイデン大統領が訪問中のアジアで国内経済の景気後退の可能性を巡り「避けられないものではない」と述べたほか、対中制裁の緩和を示唆したため、景気への悲観的な見通しが緩和し、寄り付き後、上昇。さらに、銀行のJPモルガン(JPM)のダイモン最高経営責任者(CEO)が投資家向け説明会で経済や業績に明るい見解を示したため金融セクターが買われ、相場の上昇をけん引した。
銀行やハイテク銘柄が買われて主要株価指数が上昇し、日経平均先物に買いが波及した。
 
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
27085 ( +35 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
27100 ( +50 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7513.44(+123.46)
20日のFTSE100種総合株価指数は3日ぶりに反発し、前日に比べ87.24ポイント(1.19%)高の7389.98で引けた。中国の経済支援策による同国景気の回復期待から、資源やエネルギー株に買いが入った。前日に売られていた消費関連株も買い直された。
FTSEの個別銘柄を見ると、英金融大手バークレイズ(3.3%高)、同ナットウエスト(3.2%高)など銀行株が上昇した。英通信大手ボーダフォンも4.1%高と買われた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14175.40(+193.49)
23日のドイツ株価指数(DAX)は続伸した。前週末に比べ193.49ポイント(1.38%)高の1万4175.40で終えた。
ドイツの5月の企業景況感指数が4月から上昇し、景気減速への過度な警戒感が和らいだ。23日の米株高も投資家心理を上向かせ、幅広いセクターに買いが入った。ドイツ銀行が7%高と堅調だった。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6358.74(+73.50)
フランスCAC40種指数は1.17%高となった。
欧州経済の先行きに楽観論が強まった。金融や資源、製造業など幅広い銘柄が買いを集めた。CACでも仏金融大手BNPパリバが4.2%高と締まった。
 
 

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