16日午前の日経平均株価は大幅続伸し、前引けは前日比444円53銭高の2万8904円25銭だった。
前日の米国株市場でNYダウなど主要株指数が揃って大きく上昇したことを受け、投資家心理が改善し主力株を中心に幅広く買い注文が入り、日経平均は大幅上昇となった。先物が主導する形で上げ幅は一時600円に迫り、2万9000円台を回復する場面もあった。ただ、2万9000円近辺では戻り売り圧力も強く、インデックス買い一巡後は買いの勢いが弱まり、前場終盤に急速に伸び悩む場面もあった
米連邦公開市場委員会(FOMC)を無難に通過したとの見方から、運用リスクをとる姿勢が強まった。米連邦準備理事会(FRB)は15日のFOMCで、インフレ懸念を背景に量的金融緩和の縮小(テーパリング)の加速を決めた。テーパリングを終える時期は従来の2022年6月から3月へ前倒しし、22年中に計3回の政策金利の引き上げを見込む。金融引き締めペースは想定の範囲との受け止めが多く、15日の米株式相場は大幅に上昇。東京株式市場でも投資家心理が強気に傾き、景気敏感株を中心に幅広く買いが入った。
市場では「FOMC後の波乱を見越して空売りしていた短期筋が、思惑が外れて買い戻しを進め、上げ幅を増幅させた」との指摘もあった。
買い一巡後は利益確定や戻り待ちの売りが出て相場の上値を抑えた。心理的な節目の2万9000円を一時上回り、目先の達成感も意識された。
東証株価指数(TOPIX)は続伸し、節目の2000を上回った。JPX日経インデックス400も続伸した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆3361億円、売買高は5億1568万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1676と、全体の約7割超を占めた。値下がりは400銘柄、変わらずは108銘柄だった。
業種別株価指数は、全33業種が上昇した。
個別では、売買代金首位のレーザーテックが1300円を超える上昇をみせたほか、日本郵船、川崎汽船など海運株も高い。キーエンス、キヤノン、オリンパスなども上昇した。オリエンタルランドが買われ、デンソー、アルプスアル、ファナックも値を上げた。大末建設、ブラス、ギフトが大幅高、大真空も値を飛ばした。
半面、スノーピーク、新生銀行が売られた。プロレド・パートナーズが急落、オハラ、ヤーマンなども大幅安となっている。
東証2部株価指数は前日比42.57ポイント高の7516.65ポイントと続伸した。
出来高は1億8877万株。値上がり銘柄数は236、値下がり銘柄数は147となった。
個別では、Oak キャピタルが一時ストップ高と値を飛ばした。カンロ、リミックスポイントは年初来高値を更新。ユニバンス、コメ兵ホールディングス、児玉化学工業、キョウデン、上村工業が買われた。
一方、アゼアス、エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマート、木村工機、サンセイ、ハイレックスコーポレーションなど6銘柄が年初来安値を更新。東京ソワール、光陽社、イムラ封筒、さくらケーシーエス、エスティックが売られた。
