大幅続伸、2万7200円台日経平均30年ぶり高値

29日午前の日経平均株価は大幅に続伸し、前日比438円34銭高の2万7292円37銭で前場を終えた。取引時間中として1990年8月以来、約30年4カ月ぶりの高値を付けた。
本年も残すところあと2営業日となったところで、日経平均は節目の2万7000円を大きく上回ってきた。前日は12月末の権利付き最終日で、本日からは実質的な新年相場入り。節税目的の損出し売りは一巡だろう。
そこに米経済対策成立に伴う米国株の上昇が重なった。米経済対策は失業給付の再延長などを含む内容で、米個人に人気の主要ハイテク株は株価押し上げ効果が期待できる。
 
米追加経済対策の成立が引き続き安心材料となり、短期筋の先物買いが主導する形で上昇が加速した。
日本時間29日午前の米株価指数先物相場が堅調だったことも追い風に上げ幅を広げていった。空運や陸運など景気に敏感な業種の一角が大きく上昇した。
 
市場参加者は「薄商いの中でスルスル上昇してきた」と口をそろえていた。年末年始の休暇に入る前に、日経平均オプションのコール(買う権利)の売り手がリスク回避(デルタヘッジ)のために先物を買っているのではとの観測も聞かれた。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も続伸した。TOPIXは一時、年初来高値を上回った。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆25億円、売買高は4億7174万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1494と、全体の約7割を占めた。値下がりは595、変わらずは82銘柄だった。
 


 
業種別株価指数(全33業種)は情報・通信業、電気機器、銀行業が上昇し、その他製品、食料品、ゴム製品は下落した。
 
個別では、ソフトバンクGが大量の買いで上昇し、大日本住友が大幅に上昇した。三菱重やIHI、川重が上げた。トヨタ、日産自動車や三菱自も買われた。三菱UFJは小高く、三井住友は堅調だった。JR東日本、JR東海が値上がりし、ANAは締まった。
 
一方、JT、国際石開帝石が売られた。AGCや浜ゴムが下げた。任天堂が売り物に押されて小幅安。配当や株主優待の権利落ちを迎えたJTは値下がりした。
 
東証2部株価指数は前日比64.02ポイント高の6561.80ポイントと3日ぶり反発。
出来高8778万株。値上がり銘柄数は295、値下がり銘柄数は111となった。
 
個別では、鉄人化計画、梅の花、グローバルダイニングがストップ高。Abalance、中国工業は一時ストップ高と値を飛ばした。YE DIGITAL、ブルドックソース、日本精鉱、電業社機械製作所、TVEなど9銘柄は年初来高値を更新。北日本紡績、那須電機鉄工、アマテイ、天昇電気工業、日本パワーファスニングが買われた。
 
一方、日本和装ホールディングス、リミックスポイント、SANEI、東京ソワール、ビート・ホールディングス・リミテッドが年初来安値を更新。松尾電機、クリヤマホールディングス、セキド、フジマック、ダイナックホールディングスが売られた。
 

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