大幅続伸、一時800円強高 日米金利低下で

 
6日午前の日経平均株価は大幅続伸し、前営業日比770円63銭(2.41%)高の3万2720円52銭で前場を終えた。
 
きょう前場日経平均株価は上げ足を加速し、一時800円超の上昇をみせる場面もあった。前週末3日に発表された10月の米雇用統計は事前コンセンサスを下回る内容で、米連邦準備理事会(FRB)による追加利上げの可能性が後退した。米10年債利回りの低下を背景に株式市場の相対的な割高感が薄れ、米国ではハイテク株をはじめ幅広い銘柄に買いが入った。週明けの東京市場でもその流れを引き継ぐ格好となった。プライム上場銘柄の約8割が上昇している。売買代金も2兆5000億円台と高水準だった。
 
日経平均は寄り付きから株価指数先物主導で上げ幅を拡大する展開となった。10月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が市場予想を下回り、米長期金利が一時4.48%と9月下旬以来の水準に低下。さらに日銀が金融緩和を続ける姿勢を示すなかで国内債券市場でも長期金利が低下して株式の相対的な割高感が薄れたとの見方から買いを誘った。値がさの半導体関連株を中心に買いが集まった。
 
半面、川崎汽など海運大手3社はそろって大きく下げた。景気敏感で業績の先行き懸念が強まったとの見方から売りが膨らんだ。市場では「米長期金利の低下で足元では買いが強まりやすくなっているものの、米景気後退も意識されるなかで相場上昇の持続性は乏しい」という見方も出ていた。金利の上昇局面で買われていた銀行株の一角にも売りが出た。
 
さて、後場の日経平均は上げ幅を広げる展開が続くか。出遅れ感のある新興市場の指数も日経平均と比較して大幅高となっており、個人投資家の物色意欲は旺盛である。他方で、日経平均株価のテクニカル面では、5日移動平均線が25日線を下から上に抜けてゴールデンクロスを形成し、75日線も大きく上回って推移している。米株先物やアジア市況の動向に注意しておきたいが、今週は米国の金融政策に影響が大きい経済・労働統計の発表は特に見当たらないことから、幅広い銘柄で買い戻しの動きが継続しそうだ。特に、業績が拡大基調にあり株価が年初来安値圏にあった銘柄には値ごろ感からの押し目買いが向かうだろう。
 

 


東証株価指数(TOPIX)は41.15ポイント高の2363.54と続伸して午前の取引を終えた。JPXプライム150指数も続伸した。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆5420億円、売買高は9億7541万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1322と、全体の約8割を占めた。値下がりは294銘柄、変わらずは43銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は非鉄金属、輸送用機器、機械、電気機器などが上昇。下落は海運業、倉庫・運輸関連業など。
 
 
個別では、レーザーテック、アドテスト、東エレクなどの半導体関連株、トヨタ自やホンダなどの自動車関連株などが堅調に推移。また、三菱商事や三井物産などの商社株も上昇、ファーストリテ、ソフトバンクG、KDDI、ソニーG、オリエンタルランド、キーエンス、JTなど幅広い銘柄が上昇した。業績予想の上方修正及び自社株買い実施を発表したSWCCが急騰、日東紡績、ダイヘン、Appierが値上がり率上位となった。
 
一方、コンテナ船事業下振れで通期予想は据え置いた川崎船が急落し、郵船や商船三井などの海運株が軟調に推移した。また、業績予想の大幅下方修正がネガティブインパクトとなったキャリアリンク、7-9月期は市場コンセンサスが下振れ着地となったヤマダHDなどが大幅に下落した。ほか、アステラス、サイバーエージェント、日清粉G、シグマクシスなどが下落。クオールHD、江崎グリコ、KADOKAWAが値下り率上位となった。

 

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