大幅反落、一時650円超安 半導体関連株に売り

 

25日午前の日経平均株価は反落し、前日比620円85銭(1.92%)安の3万1666円36銭で前場を終えた。前日までの4日間で800円強上昇していたことから、利益確定売りも膨らんだ。
前日のNYダウが373ドル安となったことを受け、この日の日経平均株価は売りが先行した。今晩のジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演が利上げに前向きなタカ派的な内容となることが警戒されている。また、23日の取引終了後に好決算を発表した米半導体大手のエヌビディア<NVDA>の株価が材料出尽くし感から小幅高にとどまったことも売り要因となっている。
 
アドテストや東エレクといった半導体関連株への売りがきつく、2銘柄だけで日経平均を250円超押し下げた。前日に半導体関連銘柄で構成する米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3%超下落し、東京市場でも半導体関連株に売りが波及した。米長期金利が上昇したほか、好決算を発表した米半導体大手エヌビディアが前日の米市場で小幅高にとどまったことから、期待先行で買われていたアドテストなどの半導体関連株に売りが出て、日経平均を押し下げた。
 
イベント前にいったん持ち株を売却して利益を確保しておこうと考える投資家がいても不思議ではない。そうした動きが米エヌビディアだけでなく、前日の米株式市場の全体の下落につながったと考えられる。だとすれば、パウエル議長の講演を無難に通過できれば、改めて好決算に着目する形でエヌビディアには買いが向かう可能性は十分にあろう。
 
一方、日米ともに主要株価指数のトレンド悪化が続いている点は気がかりだ。前日のダウ平均は上ヒゲを残す形で50日線の回復に失敗。S&P500種株価指数も同線が上値抵抗線として作用、ナスダック総合指数については25日線と50日線によるデッドクロスの示現が目前に迫っている。イベント通過後もエヌビディアを筆頭に米主要ハイテク株に買い戻しが入らなければ、相場全体の調整は一段と深まりそうだ。
 
 


東証株価指数(TOPIX)は20.15ポイント安の2266.44は反落した。JPXプライム150指数は反落し、前引け時点で11.78ポイント(1.15%)安の1009.75だった。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆4682億円、売買高は5億679万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1174と、全体の6割超を占めた。値上がりは567、変わらずは93銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は電気機器、機械、非鉄金属、情報・通信業などが下落。上昇は海運業、サービス業など。
 
個別銘柄では、レーザーテックやアドバンテスト、東京エレクトロンといった半導体関連株が安く、ソフトバンクグループ(SBG)やソニーグループ、キーエンスも下落した。ファナック、安川電、TDK、セブン&アイも売られた。レゾナック、三菱商事、伊藤忠商事、三井物産など景気敏感株も総じて下落。福島第1原子力発電所での処理水の海洋放出が始まったことを嫌気してかニッスイが大きく下落した。
 
半面、電通グループが高い。クラレやアサヒも上昇した。川崎汽船や商船三井が高く、ゼンショーホールディングスやオリンパスが堅調だった。
日本郵政、F&LC、JR東海などのディフェンシブ系の一角が堅調。韓国最大手デリバードコリアとの資本業務提携が報じられたBEENOSは大きく上昇。レーティング格上げが観測されたライオンやクラレも大幅高。ほか、エムアップHD、河西工業、ブイキューブ、メディアドゥ、ANYCOLORなどが東証プライムの値上がり率上位に入っている。

 

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