外国為替市場では円が対ドルで下落し、1ドル=147円台で推移する場面が目立った。週初の株安につながったとされる「円キャリー取引」の急激な巻き戻しが一服したとの見方も安心感につながった。
大型ハイテク株や半導体関連株が持ち直したことも相場を支えた。足元の下げを受け、人工知能(AI)関連で業績の伸びが見込める半導体株の一角には買いの機会との見方を示すアナリストも出てきた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、エヌビディアが6%高となり、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やブロードコムなども上昇した。アマゾン・ドット・コムやアップルといった主力株も買われた。
ダウ平均の構成銘柄では、インテルが8%近く上昇し、アムジェンやセールスフォースの上げも目立った。ボーイングやキャタピラー、ゴールドマン・サックスなど景気敏感株にも買いが入った。
ナスダック総合株価指数も反発した。前日比464.215ポイント(2.86%)高の1万6660.021で終えた。アルファベットやメタプラットフォームズといった大型株が上昇した。半導体関連株も軒並み買われ、主要な関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は6.8%高で終えた。
【シカゴ日本株先物概況】
8日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比1205円高の3万5575円で終えた。
【欧州株式市場】
FTSE100 8144.97(-21.91)
FTSEの構成銘柄では、2024年1〜6月期の決算内容が市場予想を下回った蒸気システム大手スパイラックス・サーコが7.44%安と下落率トップ。水道サービス会社ユナイテッド・ユーティリテイーズは4.37%安、通信大手BTが4.01%安と続いた。一方、保険大手ビーズリーは10.75%高、同社は8日に24年1〜6月期決算の発表とあわせて、保険料収入に対する保険金や経費の比率を示す「コンバインドレシオ」の通期見通しを改善方向へ修正した。製薬会社ヒクマ・ファーマシューティカルズは8.26%高だった。
DAX 17680.40(+65.25)
8日のドイツ株価指数(DAX)は3日続伸し、前日比65.25ポイント(0.37%)高の1万7680.40で終えた。8日発表の米雇用関連指標をきっかけに米経済減速への過度な懸念が和らいだ。8日の米株式市場で主要な株価指数が上昇して始まると投資家心理がやや改善し、DAXは上昇に転じた。
個別では、防衛大手ラインメタル(3.44%高)や通販大手ザランド(2.85%高)、総合電機大手シーメンス(2.09%高)と買われた半面、一部金融機関が目標株価を引き下げたコメルツ銀行(2.88%安)や化学品商社ブレンターク(2.87%安)などが売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7247.45(-18.56)
フランスの株価指数CAC40は反落し、同0.25%安で終えた。
この日発表された米国の新規失業保険申請件数が市場予想を下回り、米国の景気後退懸念が緩和したことで、欧州株でも一段の押し上げに寄与した。
