11日午前の日経平均株価は大幅に反発し、午前終値は前週末比509円75銭(1.58%)高の3万2817円61銭だった。
前週末の欧米株が全面高に買われたことを受け、主力銘柄を中心に幅広く買い戻される展開となった。日経平均は朝方に600円を超える上昇で3万2900円台まで上昇した。その後は戻り売りに押されたものの3万2800円台で頑強な推移を続けた。米国株市場では、注目された11月の米雇用統計が総じてコンセンサスを上回る強い内容だったものの、今週予定のFOMCで政策金利の引き上げが終了したとの期待に水を差すことはないとの見方が広がった。これを受けて東京株式市場でも買い安心感が浮上した。外国為替市場でドル高・円安に振れていることも好感された形だ。
外国為替市場で前週末夕から円安・ドル高が進み1ドル=145円台まで下落したことも支えとなった。電気機器、機械などの輸出株に押し目買いが入り、指数を押し上げた。 原油価格の上昇で商社などエネルギー関連株も高かった。
「米11月雇用統計の結果は米経済の過度な減速懸念を後退させた。自民党派閥の政治資金パーティーを巡る問題も、長期化すればともかく現時点では影響は限定的だ」とみていた。
午後は今週FOMCイベントを控えていることもあり様子見姿勢が強まる展開となろう。日経平均は先物市場と為替市場をにらんだ膠着相場を想定する。とりわけ、為替市場では、先週、円キャリートレードの解消に伴う大幅な円買いが進んだこともあり、欧州投資家が参加する14時台当たりのドル・円の相場動向には要注意となる。仮に為替市場でドルが円高に振れた際は、輸出関連銘柄を中心に上げ幅を縮小する可能性があるだろう。
東証株価指数(TOPIX)は32.03ポイント高の2356.50と反発、JPXプライム150指数も反発した。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆8011億円、売買高は7億8329万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1365。値下がりは255、変わらずは37だった。
業種別株価指数(33業種)は電気・ガス業、卸売業、石油・石炭製品、水産・農林業が上昇率上位。下落は空運業、その他金融業の2業種。
個別では、東京電力ホールディングスが商いを伴い株価を急上昇させた。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも買いが優勢。レーザーテック、東京エレクトロン、アドテストなど半導体製造装置関連も高いほか、ソフトバンクグループ(SBG)も堅調。三菱重工業が値を上げ、ダイキン工業、三井物、第一三共、ENEOSなども買われた。
半面、ルネサスエレクトロニクスが冴えず、ニトリホールディングスが軟調。ネクソンが大きく値を下げた。エイチームが値下がり率トップに売り込まれ、サイゼリヤなどの下げも目立つ。
