6日午前の日経平均株価は反落し、前日比610円67銭安の2万8721円49銭で終えた。
前日の米株安を引き継ぎ、主力株をはじめ広範囲にリスク回避の売り圧力が強まった。米10年債利回りの上昇を受けた米ハイテク株安の流れが波及した。日経平均は安く始まった後、いったんは下げ渋る動きを見せたものの、その後は売り直され一貫して下値を切り下げる動きとなった。前引け時点で600円を超える急落となり安値引けとなった。
前日の米株式市場では、2021年12月に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表され、米連邦準備理事会(FRB)による保有資産の圧縮や利上げが市場の想定より早まるとの見方が強まった。米長期金利が上昇し、相対的な割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)の銘柄が売られた。
成長株を中心に売りが出た。東証株価指数(TOPIX)のグロース(成長)指数は1.95%下げた。PBR(株価純資産倍率)の低い銘柄で構成するバリュー(割安)指数(0.82%安)より下げ幅は大きかった。
市場では「短期的な業績や株価水準を見ながら銘柄を選別する動きが強まっている」との見方がある。業績改善の期待が根強い自動車株の一部が買われたほか、投資尺度の面から割安感がある鉄鋼や海運などが高く推移する場面があった。
国内で新型コロナウイルスの新規感染者数が5日に2000人を超え、21年9月以来の高水準となった。政府が沖縄県などに緊急事態宣言に準じた「まん延防止等重点措置」を適用する見通しと伝わり、鉄道や小売りなど内需関連の一角の売りを促した。
JPX日経インデックス400は反落。東証株価指数(TOPIX)も反落し、午前終値は1.39%安だった。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆5213億円、売買高は5億7966万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1885と、全体の86%を占めた。値上がりは230、変わらずは70だった。
業種別株価指数(33業種)はサービス業、電気機器、精密機器などが下落。上昇は輸送用機器、海運業、鉄鋼など。
個別では、売買代金トップのソニーグループが大幅安となったほか、東京エレクトロンの下げも目立つ。リクルートも下落した。ファーストリテイリング、キーエンスがいずれも2000円を超える下げとなった。テルモやエムスリーは7%超下げた。このほか、SHIFT、ラクス、ダイセキ環境ソリューションなどが急落した。
半面、トヨタ自動車が堅調、塩野義製薬も買いが優勢。ジェイ エフ イー ホールディングスもしっかり。商船三井、新生銀は上昇した。FUJIが大きく上値を伸ばし、明和産業も物色人気に。
東証2部株価指数は前日比62.04ポイント安の7620.08ポイントと6日ぶり反落した。
出来高は1億1621万株。値上がり銘柄数は89、値下がり銘柄数は286となった。
個別では、ライフドリンク カンパニー、アップルインターナショナル、STIフードホールディングス、Abalance、櫻護謨など8銘柄が昨年来安値を更新。山喜、ウインテスト、ケアサービス、ユニバンス、テクノスマートが売られた。
一方、明治機械が一時ストップ高と値を飛ばした。リミックスポイント、高砂鐵工、京福電気鉄道は昨年来高値を更新。グローバルダイニング、日本製罐、ライフドリンク カンパニー、クシム、川崎近海汽船が買われた。
