大幅下落、新型肺炎を懸念で全面安

 
27日の日経平均株価は大幅に反落し、前週末比455円12銭安の2万3372円06銭で前場を終えた。一時下げ幅を500円超まで広げた。
 
中国発の新型肺炎の感染者数増加が嫌気された。「肺炎の流行拡大で今後、工業生産や消費など中国の経済活動が全般的に滞り、日本や米国の景気減速を招く」との見方から幅広い銘柄が売られ、全面安となった。
 
中国・上海や香港市場が休場のため、リスク回避を目的とした空売りが東京株式市場に流入したことも日経平均の下げ幅を拡大する要因になったとみられる。「中国と関係の薄い建設業や情報通信業の株式まで値下がりしており、投資家の間で株式の持ち高を減らす動きが強まっている」という。
 
中国政府が25日、国内の旅行会社に対し、日本を含む海外旅行も中止するように命じたことで、資生堂などインバウンド(訪日外国人)関連銘柄への売りが目立った。
 
きょうは春節(旧正月)休暇で中国や香港、台湾、韓国、シンガポールなどアジアは休場の市場が多い。国内外の機関投資家が、運用するポートフォリオを維持するために、開いている日本市場でヘッジ目的の売りに動いたことも大幅安につながった。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も大幅に下落した。
 
東証1部の売買代金は概算で1兆566億円、売買高は6億62万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は全体の9割に当たる1941と全面安の展開だった。値上がりは167、変わらずは51だった。
 


業種別株価指数(全33業種)は、電気機器、小売業、情報・通信業、銀行業などが下落し、不動産業だけが上昇した。
 
個別では、ファーストリテイリングやソフトバンクグループ(SBG)が安く、東エレクやアドテスト、任天堂も軟調、資生堂、オリエンタルランドなども大きく値を下げた。ネットワンシステムズが一時ストップ安に売られ、アルヒなども急落した。
 
半面、三菱地所や住友不、三井不が堅調なほか、シキボウ、ニイタカ、日本エアーテックなどが新型肺炎をテーマに高い。ジャフコも物色人気になっている。
 
 
東証2部株価指数は前週末比100.71ポイント安の7282.12ポイントと続落した。
出来高は7033万株。値上がり銘柄数は71、値下がり銘柄数は358となった。
 
個別では、ビットワングループ、日創プロニティ、児玉化学工業、ワシントンホテル、アサヒ衛陶など8銘柄が昨年来安値を更新。ラオックス、カワニシホールディングス、サイバーステップ、ダイコー通産、カーチスホールディングスが売られた。
 
一方、オーミケンシ、アゼアス、マナックがストップ高。プロスペクト、リスクモンスター、伊勢化学工業、浅香工業、安楽亭など9銘柄は昨年来高値を更新。日本アビオニクス、新内外綿、マミヤ・オーピー、フマキラー、大興電子通信が買われた。
 

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