21日午前の日経平均株価は大幅に反発し、午前終値は前日比559円02銭(2.00%)高の2万8496円83銭だった。
きょう前場は主力株をはじめ幅広く買い戻しが入り、日経平均は一時580円あまりの上昇をみせ2万8500円台を上回る場面があった。
前日までの直近2営業日で日経平均は1100円強の急落をみせていたこともあり、突っ込み警戒感からの買い戻しや自律反発狙いの押し目買いが流入した。中国や香港などアジア株市場が総じて堅調だったことや、米株価指数先物が上昇していることも市場心理を改善させ、225先物主導で前場後半から一気に水準を切り上げる展開となった。
米国で20日発表された半導体メモリーのマイクロン・テクノロジーの好決算を受け、東京市場でも半導体関連株に物色の矛先が向かった。日本時間21日の取引で米株価指数先物が堅調に推移したほか、アジア株相場が上昇し、後押しされる形で日経平均は徐々に上げ幅を広げた。
20日に日経平均は2万8000円割れとなり、東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)は「売られすぎ」とされる80%を下回った。
市場からは「日経平均はきのうまでの2日間で1100円超の下げとなり、押し目買いの動きが強まった。直近の下げは米国での税金対策売りが背景にあるとみられ、「オミクロン型」や米金融政策は言い訳に利用された感がある。来期の企業業績は良好とみられ、押さば買いの方針に変わりはない」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)はともに反発した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆1584億円、売買高は5億1129万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1875と、全体の約86%を占めた。値下がりは234、変わらずは72だった。
業種別株価指数(33業種)は、全業種が上昇した。
個別では、レーザーテック、東京エレクトロンが大幅高に買われたほか、任天堂も大きく買われた。塩野義製薬が商いを膨らませ値を飛ばし、アドバンテスト、シャープ、三越伊勢丹、村田製作所も高い。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも堅調。クラウディアホールディングスが値上がり率トップに買われ、ブラスも上昇した。
半面、日本M&Aセンターホールディングスが大幅安、井筒屋は値下がり率トップに売り込まれた。ZHD、三菱マ、新生銀、日機装、ベルーナなどの下げも目立った。
東証2部株価指数は前日比32.86ポイント高の7395.01ポイントと3日ぶり反発した。
出来高は1億5445万株。値上がり銘柄数は227、値下がり銘柄数は155となった。
きょう東証2部に新規上場したLドリンクと湖北工業が初値を付けた。Lドリンクは公開価格(1535円)を108円下回る1427円で初値を付け、午前終値は1310円だった。湖北工業は公開価格(4000円)を1300円上回る5300円で初値を付け、午前は5020円で終えた。
個別では、リミックスポイントが年初来高値を更新。クシム、ユニバンス、杉村倉庫、マーチャント・バンカーズ、玉井商船が買われた。
一方、三井金属エンジニアリング、大盛工業、フルスピード、YE DIGITAL、フュートレックなど37銘柄が年初来安値を更新。オーミケンシ、三井住建道路、東京衡機、川本産業、東京ソワールが売られた。
