変調

NY株式市場はマチマチの展開。
NYダウは3ケタの上昇で4日続伸。
連日の過去最高値更新。
背景は税制改革への期待感。
「ハイテクセクター売りの金融セクター買いの動き」との解釈だ。
一方NASDAQは大幅安。
過去3ヶ月で最大の下落幅となった。
理由はハイテク関連セクターの軟調。
「ゴールドマンが割高感を指摘したネガティブレポートが効いた」という見方もある。
S&P情報技術指数は2.6%下落。
過去5カ月余りで最も大幅な下落率となった。
アマゾン、アップル、アルファベット、フェイスブック、ネットフリックスが大幅安となった影響だ。
第3四半期のGDP改定値は前期比年率3.3%増で着地。
市場予想の3.2%増と上回り3年ぶりの大幅な伸びとなった。
今では話題にもならない地区連銀報告(ベージュ・ブック)。
「米経済が10月から11月半ばにかけ、控えめから緩やかなペースで拡大。
物価圧力も高まった」との認識で着地。
イエレンFRB議長は上下両院の経済合同委員会で証言。
「米経済は力強さを増しており、利上げ継続はなお正当化される」と強気のコメント。
国債利回りは上昇。
ドルは小動き。
「GDP改定値が上方修正され、相場の下支えとなった。
しかし税制改革法案を巡る不透明感が重石」との声が聞こえる。
気になるのはダウ輸送株指数の動き。
前日比323ポイント高の10077ポイント。
強烈は上昇幅となり10000ポイント台に乗せてきた。
「消費者心理が良好。
賃金の伸びがやや加速する中、今年の休暇シーズンはかなり好調見通し」という指摘があった。
NASDAQの大幅安と輸送株指数の大幅高。
3市場の売買高は一気に80億株まで増加した。
「何らかの変調の兆し」と読むのは杞憂だろうか。
 
 
水曜の日経平均株価は静かに上昇。
NY株式の大幅高と北朝鮮のミサイル発射で荒れる可能性もあったが影響は限定的。
日経平均は上下幅100円程度の値幅で動いた。
半導体関連セクターの軟調があったものの25日線をサポートとして22500円台での着地。
11月陽線基準を上まわり、11月SQ値も上回った。
「罫線が崩れず日柄調整が進んでいる」という声も聞こえる。
一方で「いったんは調整期を経なければ大きな相場は演じられない」という見方もある。
少なくとも10月31日の終値は22011円だから11月も月間上昇となろう。
25日線(22362円)からの乖離はプラス1.1%(前日プラス0.7%)。
空売り比率は38.2%にとどまった。
11月24日現在の裁定買い残は前週比2300億円増(3週ぶり増加)の2兆8775億円。
裁定売り残は前週比324億円増(2週ぶり増加)の3617億円。
裁定買いの余裕は目先あと5000億円程度だろう。
シカゴ225先物終値は日中比35円高の22655円。
ボリンジャーのプラス1σ(22699円)が目先の限界だろうか。
その先の22757円(17日高値)は少し遠方の峰だろう。
勝手雲は12月6日に黒くねじれているが22600円台より上に位置しておれば影響薄と見たい。
「月末のドレッシング」なんて言葉は最近聞かれない。
一応「三の酉」の月末最終日。
「11月最終週は高い」というのがアノマリー。
その基準値となる先週末の日経平均株価は22550円。
 
日経1面の「生産性考」。
法政大学永山講師の「生産性の変化6分類」が興味深い。
生産性上昇の3類型。
(1)アメフト型:営業利益増加 従業員増加 東証1部に占める割合は34.6%
   代表はダイキン、トヨタ、KDDI
(2)細マッチョ型:営業利益増加 従業員減少 同9.6%
   代表はキッコーマン、大成建設、地所
(3)ダイエット型:営業利益減少 従業員減少 同1.5%
   代表はNEC、東急
生産性低下の3類型
(1)ゆるみ型:営業利益増加 従業員増加  同20.5%
   代表はキリン、電通
(2)たるみ型:営業利益減少 従業員増加  同24.1%
   代表はヤマト、紅、関電
(3)激やせ型:営業利益減少 従業員減少  同9.6%
   代表は東電
 
銘柄をタテに追う動きとヨコに追う動き。
企業を追うか、株価を追うかと言い換えても良いだろう。
一般的にはヨコに追う動きが多そうだが、実利はタテに追う動きに分がアルような気がする。
そもそも・・・。
企業は日々活動し進化しているが、そのスピードは1日で変化するほどのものでもない。
どこかで解釈が間違ったり、早とちりするのは市場の常。
だったら、一度人気化した銘柄の株価が止まった時点で注目するという投資法もありだろう。
「一度ストップ高した銘柄はいずれもう一度ストップ高する」という格言。
「一度反応した材料はもう一度反応する」。
そう考えると株式市場はそんなに難しい場所ではない。
大した場所でもないのに、ややこしい場所に見せようする市場関係者がいるからややこしくなる。
 
NYダウは103ドル高の23940ドルと4日続伸し過去最高値更新。
NASDAQは88ポイント安の6824ポイントと反落。
この3ヶ月で最大の下落幅となった。
S&P500は0.97ポイント安の2626ポイントと小幅反落。
ダウ輸送株指数は323ポイント高の10077ポイント。
強烈は上昇幅となり10000ポイント台乗せ。
3市場の売買高は80億株。
CME円建ては大証比35円高の22655円。
ドル建ては大証比35ポイント高の22655ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比10円安の22610円。
ドル円は111.92円。
10年国債利回りは2.376%。
非公式外資系5社動向は売り550万株、買い720万株。
金額ベースは16億円の買い越し(3日連続)。
売りセクターは化学・自動車・食品・精密・サービスセクターなど。
買いセクターは情報通信・薬品・サービス・保険・証券・REIT・陸運セクターなど。
売買交錯は小売・電機セクターなど。
 
◇ ━━━ カタリスト ━━━◇
 
ティア(2485)・・・動兆。
 
ティアに注目する。
同社は名古屋地盤。
葬祭会館の運営が中核で関東・関西など全国展開中。
業績は好調。
地域拡大と顧客層拡大は順調に進展

(兜町カタリスト櫻井)

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