堅調展開か。

 
12日の日経平均は続伸。332円11銭高の2万9609円97銭(出来高13億2000万株)で取引を終えた。前日のNYダウは下落したものの半導体株が買い直されてナスダックは反発。政府が19日に決定する経済対策を巡り、介護・保育分野の処遇改善や中小企業支援など具体策が一部で伝わったため、経済対策への期待感が相場を支え、リスク選好ムードが広がった。
 
今週は、前半軟調、後半堅調となった。
米国市場では主要3指数の高値更新基調が続いたが、日経平均は場中の動きが弱く、8日と9日はいずれも買い先行から下げに転じた。
9日には自己株取得を発表したソフトバンクGが1日で10%超上昇するといった動きも見られたが、全体への好影響は限られた。10日は米国株安が嫌気されて4営業日連続で3桁の下落となり、2万9000円に接近した。
しかし、11日は米国株の下落を受けても早い時間に切り返して上昇し、2万9000円割れも回避した。過度な警戒が和らいだことで12日は大幅上昇。節目の2万9500円を突破し、2万9600円台で週を終えた。結局、前半3営業日の下げを後半2営業日で取り返し、週間でみればほぼフラット。週間では約1円の下落となり、週足では3週ぶりに陰線を形成した。
 
来週は堅調展開か。
米国および日本で決算発表が概ね一巡するため、やや手がかり難で方向感が見えづらい地合いになると思われる。ただ、今週の日経平均は週半ばまでは弱さが目立ったが、2万9000円は割り込まずに切り返した。2万9000円は心理的節目というだけでなく、近辺に13週線や25日線などチャートの節目があり、これらがサポートになったことで、下値に対する不安がかなり和らぐと考える。
材料が少なくなるため、米国の指標や長期金利、ドル円動向などには神経質にはなるだろう。米国では10月の小売売上高、鉱工業生産、住宅着工件数など注目度の高い指標がいくつか出てくる。ただ、弱材料にはある程度の耐性を示し、上げ下げありながらも週間では水準を切り上げると予想する。
 
内需の活性化が意識されてくれば、これまでエネルギー不足だった日本株相場は潮目が変わるだろう。もちろん、新型コロナの第6波が訪れてしまえば元も子もないが、ワクチンの接種率は高い。仮に米国株の上値が重くなっても、日本株はこれまでの割り負けを埋める方向に動く可能性があると考える。
 
 
■上値・下値テクニカル・ポイント(12日現在)
 
31074.33  ボリンジャー:+2σ(13週)
30518.61  ボリンジャー:+2σ(26週)
30442.05  ボリンジャー:+3σ(25日)
30064.89  ボリンジャー:+1σ(13週)
29967.05  ボリンジャー:+2σ(25日)
29794.37  新値三本足陽転値
29614.39  ボリンジャー:+1σ(26週)
 
29609.97  ★日経平均株価12日終値
 
29492.05  ボリンジャー:+1σ(25日)
29460.45  均衡表転換線(日足)
29399.78  6日移動平均線
29055.46  13週移動平均線
29044.70  均衡表転換線(週足)
29017.04  25日移動平均線
28949.41  均衡表雲上限(日足)
28896.24  200日移動平均線
28875.30  均衡表雲下限(日足)
28875.30  均衡表基準線(週足)
28744.39  均衡表基準線(日足)
28742.77  75日移動平均線
28710.16  26週移動平均線

 
ローソク足はマドを空けて上昇して陽線で終了。節目の2万9500円や5日移動平均線を上回ってほぼ高値引けした。一目均衡表では株価が雲上限を上放れて三役好転による買い手優位の形状が顕著になったほか、基準線と転換線がともに横ばいから上向きとなり、上昇局面入りを示唆している。
25日線との上方乖離率は2.04%と小さく、東証1部の騰落レシオ(25日ベース)は99.27%と中立圏中央にあって過熱感は窺えず、上値余地を期待できそうだ。

 

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