2日午前の日経平均株価は続伸した。前引けは前日比285円15銭高の2万8376円20銭だった。
前日に続き目先リバウンド狙いでリスクを取る動きが優勢となった。前日のNYダウ、ナスダック総合指数ともに反発しており、市場のセンチメントが改善した。米株価指数先物が上昇していることやアジア株がほぼ全面高となっていることも、ポジティブに作用している。
米長期金利が上昇するなどリスク回避姿勢が後退するなか、景気敏感株に買いが入り日経平均は前場をきょうの高値で終えた。
前日の米市場では個人投資家の投機的な買いが弱まりヘッジファンドによる持ち高調整売りも一巡するとして、IT株や半導体といったハイテク株への買いが目立った。東京市場でも半導体関連に買いが優勢となった。2020年4~12月期の決算発表が本格化するなか、業績が想定よりも良好だった銘柄が買われ相場の支えになった。
日経平均は下げに転じる場面もあった。取引開始後に買いが一巡すると、戻り待ちの売りが散発的に出た。「米株の変動性指数(VIX)が高止まりするなか、積極的に上値を追う投資家は限られる」との声も聞かれた。
また、米国株の波乱要因となった個人投資家の資金が向かった銀相場が急伸し、「警戒感は払拭(ふっしょく)されていない」との声も聞かれた。グロース株より、割安感のあるバリュー株を買い戻す動きが目立った。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は上昇した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆2449億円、売買高は5億5855万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1708、値下がりは410、変わらずは72だった。
業種別株価指数(全33業種)は非鉄金属、鉄鋼、鉱業などの上昇が目立った。下落は証券・商品先物取引業、医薬品、電気・ガス業。
個別銘柄では、資生堂や国際帝石、三菱マ、NTN、住友鉱、日本製鉄が買われた。21年3月期の連結業績を上方修正したデンソーが大幅高。村田製、ルネサス、SUMCOやアドテスト、ソニーが上昇した。スクロールが値を飛ばし、ソフトバンクG、エムスリーも高い。
一方、キーエンス、任天堂、東電HDや京セラ、ヤマトHDが下落。大和や塩野義、味の素が売られた。レーザーテクやシスメックスも下げた。
東証2部株価指数は前日比63.78ポイント高の7130.32ポイントと続伸した。
出来高1億0536万株。値上がり銘柄数は280、値下がり銘柄数は103となった。
個別では、ダイショー、リスクモンスター、東亜石油、オーナンバ、日建工学が昨年来高値を更新。加地テック、那須電機鉄工、セキド、千代田化工建設、田岡化学工業が買われた。
一方、ファーマフーズ、野崎印刷紙業、日本製罐、価値開発、カワセコンピュータサプライが売られた。
