基調は回復しているが

[概況]

12日の欧米為替市場は、米ドル円が下落した。詳しく値動きを見ると、まず欧州時間序盤では買いが優勢だった。一時108.815円まで上昇し、昨日の高値を更新する。
 
しかし、続くNY市場が始まると下落に転じ、水準を108.40円近辺まで降下させてしまう。そして、NY市場の終盤ではやや買戻しが入り、108.515円で取引を終了した。12日の米ドル円は上昇してその後下落するという動きだったが、背景には何があったのだろうか。まず欧州時間の上昇だが、これは米政府によるメキシコ関税見送りの報道が理由だろう。
 
この報道は10日の欧州市場が終了した後に伝わったため、11日の欧州勢はスタートでリスク選好姿勢を強めたというわけだ。次に、NY時間の下落だが、この背景にはNYダウの下落が挙げられる。NYダウの下落はそれまでの上昇分による利益確定が入った結果だと思われる。このことで為替市場はリスク回避姿勢を後退させ、米ドル円はそれまでの上昇分を帳消しにしたというわけだ。
 
さて、この後の米ドル円だが、日足チャートを見ると下値を切り上げる展開で、地合いを回復していると判断できそうか。そのため本日は、節目である109.00円を目指す動きになると予想する。ただ、足元では米中貿易対立のリスクが依然くすぶっているため、慎重な上値追いとなりそうだ。

[提供:カネツFX証券株式会社]

 

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