反落646ドル安、中間選挙後に株高期待が後退 

9日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、前日比646ドル89セント(2.0%)安の3万2513ドル94セントで終えた。

中間選挙は8日に投開票され、下院では野党・共和党がリードし、上院は接戦となっている。上院か下院で共和党が多数派となれば、政権与党との「ねじれ」が生じ、民主党が掲げる増税など株の弱材料である政策の実現が困難になるとみられる。
今週は週明けから共和党躍進への期待感から買いが優勢だったが、この日は民主党の予想外の善戦を受けてダウは徐々に売りに押される展開。前週末から前日までの3営業日で上昇幅は1100ドルを超えており、利益確定の売りも出やすかった。

開票が続く米中間選挙は、上院は複数の州で勝敗が読めず、民主党が過半数を維持する可能性がある。米メディアがジョージア州で決選投票になる可能性を報じ、そうなれば上院の議席確定は1カ月遅れる。下院でも民主党が予想以上に善戦しており、共和党は僅差での過半数獲得にとどまる見通しだ。

市場では大統領の出身政党と議会の多数党が異なる「ねじれ議会」になれば経験則的に株高になるとの見方から、前日までの3営業日でダウ平均は1150ドルほど上げていた。上下両院で共和党が勝利すれば、増税や金融規制強化など民主党の主張する政策が実現不可能になると期待されていた。「想定通りのねじれ議会にならないとみて、投資家がいったん利益確定の売りを出した」と指摘された。

10日に発表される10月の米消費者物価指数(CPI)を前に持ち高調整の売りも出た。インフレ率が市場予想以上に高まれば、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが強まると警戒された。暗号資産(仮想通貨)価格が連日の大幅安となり、投資家のリスク回避姿勢が強まったのも相場を押し下げた。

前日夕に発表した2022年7~9月期決算で売上高と1株利益が市場予想を下回った映画・娯楽のウォルト・ディズニーが13%安となり、ダウ平均の重荷となった。同社のほかにもクレジットカードのビザなど消費関連株が売られた。原油安を受け、石油のシェブロンと化学のダウが大幅安。スマートフォンのアップルなどハイテク株の下げも目立った。

ナスダック総合株価指数も4営業日ぶりに反落し、前日比263.025ポイント(2.5%)安の1万0353.175で終えた。10月14日に付けた年初来安値(1万0321.388)に迫った。半導体のエヌビディアや電気自動車のテスラなど主力株が下げた。大規模な人員削減を発表した交流サイトのメタプラットフォームズは5%上昇した。


【シカゴ日本株先物概況】

9日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比360円安の2万7520円で引けた。米中間選挙結果への期待から買い進まれた反動の売りが出る中、4営業日ぶりに反落した。米株式相場が大幅に下落し、日経平均先物にも売りが波及した。

 
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
27520 ( -130 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
27525 ( -125 )
 
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・FTSE100
7296.25(-9.89)

9日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前日に比べ9.89ポイント(0.14%)安の7296.25で引けた。中国で新型コロナウイルス感染者数が増加しており、需要懸念から原油相場が下落。エネルギー株が売られた。
個別では、オンライン食品販売オカド・グループが5.0%安と下落率トップ。原油安を受けて石油大手シェル(2.2%安)や同BP(0.7%安)もさえなかった。

■ドイツ・DAX
13666.32(-22.43)

9日のドイツ株価指数(DAX)は4営業日ぶりに反落した。前日に比べ22.43ポイント(0.16%)安の1万3666.32で終えた。高インフレの長期化懸念から、資本財株や素材株など景気敏感株の一角が売られた。
個別では、素材化学大手コベストロ(3.7%安)やバイエル(2.8%安)が売られた。

■フランス・CAC40
6430.57(-10.93)

フランスCAC40種指数は0.17%安だった。

 

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