反落339ドル安、米利上げが長期化するとの見方

5日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比339ドル69セント(1.0%)安の3万2930ドル08セントで終えた。5日発表の雇用指標が米労働市場の底堅さを示し、米利上げが長期化するとの見方から売りが優勢となった。

 
米民間雇用サービス会社ADPが5日発表した昨年12月の全米雇用報告では、非農業部門の民間就業者数が前月比23万5000人増加した。市場予想を大きく上回り、前月から伸びが加速した。米労働省の週間の新規失業保険申請件数も20万4000件と、市場予想を下回った。
 
市場では、労働市場の堅調さが示され、賃金上昇によるインフレへの懸念が台頭。「今後数カ月間は利上げが継続する可能性がある」との見方が強まり、株を売る動きが広がった。
 
米長期金利が一時3.78%と前日終値(3.69%)から上昇した。金利上昇時に割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)のハイテク株が売られ、ソフトウエアのマイクロソフトや顧客情報管理(CRM)のセールスフォースが下げた。
 
利上げが景気を下押しするとの警戒感から、機械のハネウェル・インターナショナルなど景気敏感株も売られた。市場予想を上回る決算と同時に利益見通しの据え置きを発表したドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスは6%下げた。
 
ダウ平均は午前中に457ドル安まで下げた後は下げ幅を縮めた。原油高を受けて石油のシェブロンが買われた。製薬のメルクや通信のベライゾン・コミュニケーションズなどディフェンシブ株の一角が上昇し、相場を支えた。
 
ナスダック総合株価指数も反落し、前日比153.521ポイント(1.5%)安の1万0305.241で終えた。人員削減を発表したネット通販のアマゾン・ドット・コムのほか、電気自動車のテスラが下げた。エヌビディアなど半導体株も総じて安かった。
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

5日のシカゴ日経平均先物は反落した。3月物は前日比145円安の2万5680円で引けた。米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの観測が強まり、反落した。米株式相場が下落し、日経平均先物にも売りが波及した。

シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
25680 ( -100 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
25710 ( -70 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7633.45(+48.26)

5日のFTSE100種総合株価指数は3日続伸した。前日に比べ48.26ポイント(0.64%)高の7633.45と、2022年4月以来9カ月ぶりの高値で引けた。中国経済の再開への期待が根強く、銀行株や資源株の上昇が指数を押し上げた。

個別では、衣類小売ネクスト(6.9%高)が上昇率トップ。金融大手スタンダード・チャータード(6.8%高)や鉱業大手アングロ・アメリカン(4.4%高)も買われた。金相場の下落を受け、産金大手フレスニロ(2.2%安)はさえなかった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14436.31(-54.47)

5日のドイツ株価指数(DAX)は4営業日ぶりに反落し、前日に比べ54.47ポイント(0.38%)安の1万4436.31で終えた。前日に2%を上回る大幅高となっていた反動で、目先の利益を確定する売りが優勢だった。
個別では、産業ガス大手リンデ(3.8%安)や医薬大手メルク(2.6%安)が売られた。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 6761.50(-14.93)

フランスCAC40種指数は0.22%安だった。米利上げの長期化観測が高まったことが重しとなり、年明けからの上昇の勢いは一服した。

 

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