反落25ドル安、金利の高止まりで

6日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前週末比25ドル57セント(0.05%)安の4万2706ドル56セントで終えた。
 
米国のインフレ鈍化ペースの減速に対する警戒感が根強い中、米長期金利の上昇は株価の重しとなった。ただ、台湾の電子機器製造大手、鴻海(ホンハイ)精密工業の堅調な決算などを受け、半導体銘柄の買いが目立った。
米紙ワシントン・ポストは6日、トランプ次期米大統領が主張する輸入品への一律関税について、政権移行チームが対象を安全保障に関連した品目に限定することを検討していると報道。ただ、トランプ氏はSNSで「関税政策が縮小するというのは不正確な記事だ。間違っている」と否定。ダウは買い先行で始まり、一時380ドル超上昇したものの、その後マイナス圏に沈んだ。
 
6日の米債券市場では長期金利が前週末に比べ0.04%高い(債券価格は安い)4.64%を付ける場面があった。トランプ氏の関税政策への警戒が根強いことに加え、米連邦準備理事会(FRB)が利下げを慎重に進める姿勢を示している。長期金利の高止まりを受け、株式の相対的な割高感が意識されたことが相場の重荷となった。
FRBのクック理事は6日の講演で、資産価格に割高感があり、リスクプレミアムが低下していることに言及。「悪い経済ニュースや投資家心理の変化によってもたらされる大幅な下落につながる可能性がある」などと語った。市場ではこの発言への警戒が株価の上値を抑えたとの見方があった。

半導体関連銘柄に買いが広がり、エヌビディアが上昇。ダウ平均の構成銘柄以外では、マイクロン・テクノロジーやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が上昇した。主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.8%高で終えた。

そのほかのダウ平均の構成銘柄では、プロクター・アンド・ギャンブルとハネウェル・インターナショナルが下げた。ナイキも安かった。一方、アマゾン・ドット・コムとマイクロソフトが高かった。

ナスダック総合株価指数は続伸した。前週末比243.304ポイント(1.23%)高の1万9864.981(速報値)で終えた。ブロードコムなどの半導体株のほか、メタプラットフォームズやアルファベットが買われた。

 

 


【シカゴ日本株先物概況】
 

6日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前週末比80円高の3万9675円で終えた。この日は日経平均株価が大きく下げたものの、半導体関連を中心に米ハイテク株が上昇しており、シカゴ市場では日経平均先物に買いがやや優勢だった。
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
 39675 ( +335 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39765 ( +425 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 

6日の英FTSE100種総合株価指数は反発し、前週末比25.68ポイント(0.31%)高の8249.66で終えた。米次期政権による関税強化策を巡り、トランプ氏の側近が課税対象を絞る計画を検討していると米紙ワシントン・ポスト(電子版)が6日に報じた。フランスやドイツといった欧州の他の主要株式相場が上昇し、英国株にも買いが優勢となった。
 
FTSEの構成銘柄では、小売り大手JDスポーツ・ファッションが4.01%高、資産運用大手インターメディエイト・キャピタル・グループが3.80%高、産銅大手アントファガスタが3.24%高と相場をけん引。一方、広告大手WPPは2.90%安、航空機エンジン大手ロールス・ロイスは2.56%安、日用品・食品大手ユニリーバは2.48%安となった。
 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
 

6日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前週末比310.11ポイント(1.55%)高の2万0216.19で終えた。米紙ワシントン・ポストの報道をきっかけに米次期政権による関税強化への過度な警戒感が後退し、自動車関連への買いを誘った。6日の米株式相場の上昇も投資家心理を支えた。

トランプ次期米大統領の側近が課税対象とする輸入品を絞ることを検討していると伝えると、独ダイムラー・トラックをはじめ自動車・自動車部品が上げ幅を広げる場面があった。その後、トランプ氏が自身のSNSを通じてワシントン・ポストの報道内容を否定すると、自動車関連は伸び悩んだ。

 
個別では、台湾電機大手の鴻海(ホンハイ)精密工業が5日発表した2024年10〜12月期の売上高(速報値)が好調だった半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが7.34%高と急伸し、医療機器のザルトリウスが5.93%高、商用車大手ダイムラー・トラックが5.79%高で続いた。半面、香料大手シムライズは1.76%安、通信大手ドイツテレコムは1.60%安、防衛大手ラインメタルは1.49%安と売られた。

■フランス・パリ株価指数

フランスでは株価指数CAC40が反発し、前週末比2.24%高の7445.69と24年12月9日以来の高値で終えた。スイスの半導体大手STマイクロエレクトロニクスが大幅高となったほか自動車の欧州ステランティス、エルメス・インターナショナルといった消費関連が上昇。ソシエテ・ジェネラルなど金融も上げた。広告大手ピュブリシス・グループ、食品大手ダノンが下げた。

 

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