3日のNYダウ工業株30種平均は反落し、終値は前週末比226ドル19セント(0.47%)安の4万7336ドル68セントだった。相場が最高値圏にあるなかで、主力株の一部に持ち高調整の売りが出た。米経済指標が市場予想を下回ったことも重荷となり、ダウ平均の下げ幅は一時400ドルを超えた。
前週の米連邦公開市場委員会(FOMC)開催後、連邦準備制度理事会(FRB)が12月の追加利下げを見送るとの見方が強まり、投資家心理を圧迫している。この日は利下げに慎重なFRB高官の発言も伝わった。
シカゴ連邦準備銀行のグールズビー総裁は3日、ヤフー・ファイナンスに対して12月会合に向けてまだ決断を下しておらず、「インフレについて非常に懸念している」と説明。追加利下げを急がない考えを示した。
ダウ平均は前週まで3週連続で上昇し、10月28日には最高値を付けていた。相場の過熱感や高値警戒感が意識されやすいなか、主力株の一部に持ち高調整や利益確定の売りが出た。市場では「成長期待のあるハイテク株に資金を移す動きがみられる」との指摘があった。
3日に米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した10月の製造業景況感指数は48.7とダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(49.3)に反し、前月から0.4ポイント低下した。個別項目では、生産や在庫が悪化した。市場では「依然として製造業の苦戦が続いている」との受け止めがあった。
一方、好材料が出たハイテク株には買いが目立った。アマゾン・ドット・コムが4%上昇し、連日で最高値を更新した。傘下のアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)がオープンAIにクラウドサービスを提供する380億ドル規模の契約を結んだと3日に発表した。収益成長に対する期待から買いが入った。
エヌビディアも上昇し、時価総額は再び5兆ドルの大台にのせた。米商務省がエヌビディアの人工知能(AI)半導体をアラブ首長国連邦(UAE)に輸出することを許可したとマイクロソフトが3日に明らかにし、材料視された。
ほかのダウ平均の構成銘柄では、メルクやナイキが下落した。スリーエム(3M)とシェブロンも安かった。半面、アナリストが投資判断を引き上げたシスコシステムズが上昇した。
ナスダック総合株価指数は続伸した。終値は前週末比109.766ポイント(0.46%)高の2万3834.723だった。アルファベットやテスラが上昇した。
