反落195ドル安、原油高でインフレ懸念

5日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前営業日の1日に比べ195ドル74セント(0.6%)安の3万4641ドル97セントで終えた。

サウジアラビアが原油減産の延長を決定したほか、ロシアも輸出削減を年末まで行うと表明し、原油相場が上昇、一時1バレル88ドル台と昨年11月以来の高値を付けた。インフレ懸念から年内の米利上げの可能性に対する警戒感が広がり、長期金利が上昇したことが株式相場に重荷となった。
また、この日発表された中国のサービス部門購買担当者景況指数(PMI)が低下したことで、中国経済への不安が再燃。投資家心理が悪化し、ナイキや建設機械大手キャタピラーなど中国に関連が深い銘柄に加え、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスを含む金融株が売られた。
5日の米債券市場で長期金利が上昇(債券価格が下落)し、4.2%台後半に達する場面があった(前営業日の終値は4.18%)。

朝方は買いが先行し、ダウ平均は上昇する場面があった。ただ、買いは長く続かず、取引終了にかけて下げ幅を広げた。中国や欧州の景気減速への懸念が、相対的に米国外の売上高が高い景気敏感株を中心に重荷となった面がある。

ダウ平均の構成銘柄では、スポーツ用品のナイキや化学のダウ、建機のキャタピラーが下げた。半面、ソフトウエアのマイクロソフトや医療保険のユナイテッドヘルス・グループは上昇。原油高で石油のシェブロンも買われた。

ナスダック総合株価指数は続落した。前営業日に比べ10.863ポイント(0.1%)安の1万4020.952で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムが下げた。中国生産車の販売増が伝わった電気自動車のテスラは5%高で終え、指数を下支えした。

 


【シカゴ日本株先物概況】

5日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前週末比350円高の3万3110円で終えた。この日は連休明けの米株式相場
は、原油高に伴うインフレ懸念の浮上に押され、反落したものの、日経平均株価は約1カ月ぶりに3万3000円台を回復するなど騰勢を保っており、シカゴ市場で日経平均先物には買いが優勢となった。

シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
33110 ( +140 )

シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
33110 ( +140 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7437.93(-14.83)

5日のFTSE100種総合株価指数は続落した。前日に比べ14.83ポイント(0.20%)安の7437.93で取引を終えた。中国やユーロ圏の景況感悪化を受けて景気減速の懸念が強まった。資源や資本財、金融など景気敏感銘柄に売りが出た。

一方、原油高を材料にエネルギーセクターが上昇し、相場の下値を支えた。サウジアラビアが5日、現行の自主減産の延長を発表し、原油需給が引き締まるとの観測から原油先物相場が急上昇し、好感した買いが入った。

FTSEの構成銘柄では、小売り大手B&Mヨーロピアン・バリュー・リテールが3.39%安、特殊化学品大手クローダ・インターナショナルが3.37%安、建機レンタルのアシュテッド・グループが2.89%安だった。一方、ホテル大手ウィットブレッドは2.30%高、エネルギー小売り大手セントリカは1.96%高、石油大手BPは1.95%高となった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15771.71(-53.14)

5日のドイツ株価指数(DAX)は3日続落した。前日に比べ53.14ポイント(0.34%)安の1万5771.71で取引を終えた。アナリストによる投資判断の引き下げが伝わったコメルツ銀行が大幅安となるなど金融セクターが下落した。根強いインフレ圧力を背景に欧州中央銀行(ECB)の金融引き締め局面が長期化するとの警戒感も重荷だった。化学や資本財など景気敏感度の高い銘柄の一角も売られた。

個別では、コメルツ銀行が6.10%安と急落したほか、エネルギー大手シーメンス・エナジーが3.61%安、通販大手ザランドも3.56%安だった。半面、自動車関連は堅調で、BMWは2.17%高、ポルシェは1.99%高、コンチネンタルは1.90%高だった。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7254.72(-24.79)

フランスCAC40種指数は0.34%安だった。中国やユーロ圏の景気の弱さを示す経済指標が嫌気された。

 

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