反落142ドル安、一段の利上げ警戒

14日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比142ドル29セント(0.4%)安の3万3966ドル35セントで終えた。

米連邦準備理事会(FRB)は、14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%の利上げを決定。上げ幅を前回会合から縮小し、利上げペースを減速させた。

ただ、同時発表した23年末のFOMC参加者の政策金利見通し(中央値)は5.1%とされ、9月時点から引き上げられた。パウエルFRB議長は会見で、政策金利は「まだ十分に景気抑制的ではない」と述べ、利上げを継続する姿勢を示した。来年の政策金利見通しが切り上がり、一段の利上げを警戒した売りが出た。

FOMCの結果発表前はダウ平均は前日比でプラス圏で推移していたが、発表後に下げ幅を400ドルあまりに広げる場面があった。

パウエル議長は会合後に記者会見し、インフレ率を目標の2%に戻すために「継続的に利上げすることが適切であると引き続き考えている」と述べた。10月、11月と市場予想を下回る米消費者物価指数(CPI)が相次いだが「インフレの持続的低下を確認するにはかなりの証拠が必要」と、慎重姿勢を崩さなかった。

利上げが景気を冷やすとの見方から消費関連株が売られ、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスとスポーツ用品のナイキが下げた。工業製品・事務用品のスリーエムなど消費関連以外の景気敏感株にも売りが出た。半面、製薬などディフェンシブ株は買われ、相場を下支えした。

ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。前日比85.928ポイント(0.8%)安の1万1170.886で終えた。電気自動車のテスラや半導体のエヌビディアの下げが目立った。


【シカゴ日本株先物概況】

14日のシカゴ日経平均先物は続落した。2023年3月物は前日比75円安の2万7925円で引けた。米連邦準備制度理事会(FRB)による一段の利上げへの警戒感が強まり、反落した。同日の米株式相場が下落し、日経平均先物も売られた。

シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27890 ( -190 )

シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
27925 ( -155 )

( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7495.93(-6.96)

14日のFTSE100種総合株価指数は小幅に反落した。前日に比べ6.96ポイント(0.09%)安の7495.93で引けた。英国時間14日夕に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えて、内容を見極めたいとの雰囲気が強まるなか、前日に買われた資源株や金融株に利益を確定する目的の売りが出た。
指数構成銘柄の5割弱が下落した。

個別では、通信会社エアテル・アフリカが3.0%安、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が2.9%安、鉱業大手アングロ・アメリカンが2.3%安となった。一方、通信大手BTグループは2.1%高と買われ、エネルギー小売り大手セントリカと自動車保険大手アドミラル・グループ、航空・防衛大手BAEシステムズが1.6%高で並んだ。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14460.20(-37.69)

14日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前日に比べ37.69ポイント(0.26%)安の1万4460.20で終えた。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控え、内容を見極めたいとの見方から持ち高調整の売りが優勢だった。前日に大きく上昇していたため、利益確定の売りも出やすかった。
個別では、半導体大手インフィニオンが2.4%安、ドイツ銀行が1.6%安、総合電機大手シーメンスが1.4%安。半面、医薬大手メルクと化粧品大手バイヤスドルフは1.8%高、エネルギー大手イーオンは1.5%高だった。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 6730.79(-14.19)

フランスCAC40種指数は0.21%安だった。
年内最後となる米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表とパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見を前に、積極的な取引は手控えられた。

 

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