反落112ドル安、前週末の急伸で利食い売り

9日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前週末比112ドル96セント(0.3%)安の3万3517ドル65セントで終えた。

 
前週末の強地合いを引き継いだほか、中国が8日、新型コロナウイルス対策の入国時の隔離措置を完全に撤廃したため、中国経済の回復に対する期待が強まった。
 
前週末発表の昨年12月の米雇用統計を受け、利上げ長期化懸念の後退で買いが先行した。だが、前週末に大きく上げた後とあって、次第に目先の利益を確定する目的の売りに押された。ディフェンシブ株の下落も相場の重荷だった。
 
ダウ平均の上げ幅は昼前に一時300ドルを超えた。雇用統計では平均時給の上昇率が縮小し、賃金インフレを背景に米利上げが長引くとの観測が後退した。米長期金利が低下し、金利上昇局面で売られやすい高PERのハイテク株が買われた。顧客情報管理のセールスフォースやソフトウエアのマイクロソフトが上昇した。
 
だが、前週末に700ドル高と大きく上げた反動で、午後には目先の利益を確定する目的の売りが優勢となった。昨秋以降に堅調だったディフェンシブ株が売られ、製薬のメルクや医薬・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、バイオ製薬のアムジェンが売られた。
 
12日発表の昨年12月の米消費者物価指数(CPI)の内容を見極めたい投資家が多い。サンフランシスコ連銀のデイリー総裁は9日、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙のインタビューで米政策金利について「5%以上となる可能性は本当に高い」と述べた。米連邦準備理事会(FRB)は利上げに前向きな姿勢を維持しているとの見方も相場の重荷となった。
 
市場では、10日のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言、12日の米消費者物価指数(CPI)が注目されている。
 
ナスダック総合株価指数は続伸し、前週末比66.356ポイント(0.6%)高の1万0635.650で終えた。中国での需要回復の期待から電気自動車のテスラが上昇。エヌビディアなど半導体株の上げも目立った。
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

9日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前週末比35円高の2万6195円で引けた。2万6400円超まで買われる場面があったものの、前週末から大きく上げていたため、次第に利益確定を目的とした売りに押された。

シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
26195 ( +265 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
26225 ( +295 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7724.94(+25.45)

9日のFTSE100種総合株価指数は5日続伸した。前週末に比べ25.45ポイント(0.33%)高の7724.94で引けた。中国の新型コロナウイルス規制の撤廃で同国経済が本格的に再開するとの見方が根強い。需要増への期待から商品相場が上昇しており、資源株やエネルギー株など商品関連銘柄に買いが入った。

個別では、産銅大手アントファガスタが4.3高と買われ、上昇率トップだった。賭け屋大手フラッター・エンターテインメントが3.9%高、投資信託スコティッシュ・モーゲージ・インベストメント・トラストが3.8%高、賭け屋大手エンテインが3.5%高で続いた。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14792.83(+182.81)

9日のドイツ株価指数(DAX)は続伸した。前週末に比べ182.81ポイント(1.25%)高の1万4792.83と2022年3月下旬以来約9カ月ぶりの高値で終えた。インフレ圧力緩和の兆候やエネルギー価格の大幅上昇の一服で、ユーロ圏の景気悪化に対する過度な懸念が和らいでいる。資本財株や消費財株など幅広い銘柄に買いが入った。

個別では、製薬会社サルトリアスが5.8%高と急伸。自動車大手フォルクスワーゲン(VW)グループの持ち株会社ポルシェSEは4.3%高、不動産大手ボノビアは3.6%高、医薬大手メルクは3.2%高となった。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 6907.36(+46.41)

フランスCAC40種指数は0.68%高だった。前週末6日に発表された米雇用統計を受け、米利上げの長期化観測が後退したことが相場を押し上げた。

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次