29日午前の日経平均株価は反落し、前引けは前日比289円48銭(1.07%)安の2万6759円99銭だった。東証株価指数(TOPIX)は14.64ポイント安の1892.74と、いずれも反落して午前の取引を終えた。
きょう前場は主力株をはじめ幅広く売りに押される展開となった。前日の米国株市場では、経済指標発表を受けた投資家心理の悪化を背景にNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに大幅安に売り込まれた。これを受け東京株式市場でもリスク回避ムードが強まった。
日経平均は前日まで4日続伸で900円も水準を切り上げており、その反動できょうは目先筋の売り急ぎを誘発した。一時は360円強の下げをみせたが、下値で押し目買いが入り前引けは下げ渋っている。
米調査会社カンファレンス・ボードが28日に発表した6月の米消費者信頼感指数が前月から低下したうえ、市場予想も下回った。米国で物価上昇の加速が景気後退を招くとの警戒感が改めて強まっており、東京株式市場でも景気敏感株を中心に売りが優勢となった。
最近の急ピッチの相場の戻りを受けて、いったん利益確定売りや戻り待ちの売りを出す投資家も多かったようだ。6月末の配当権利落ち日に当たり、その影響で日経平均は32円ほど下押しされる。
5日移動平均(2万6668円、29日前引け時点)近辺まで下げると下げ渋った。中国政府が入国時の隔離期間短縮など新型コロナウイルスに関連する防疫措置の緩和を28日に発表したのを受け「中国の景気減速抑制につながり、経済的な結びつきの強い日本の株式相場を下支えする」との指摘があった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆3635億円、売買高は6億1319万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1164と、全体の6割超を占めた。値上がりは583銘柄、変わらずは87銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)ではゴム製品、ガラス・土石製品、電気機器などが下落。電気・ガス業、石油・石炭製品、不動産業などは上昇。
個別では、レーザーテック、東京エレクトロンや太陽誘電など半導体製造装置の主力銘柄が安いほか、ソニーグループ、エプソン、安川電も軟調。川崎汽船、日本郵船なども売りに押された。ファーストリテイリング、任天堂なども下落した。ピックルスコーポレーションが急落、新日本科学、日本電気硝子の下げも目立った。
半面、東京電力ホールディングスが逆行高、大阪チタニウムテクノロジーズも値を上げた。富士通が上昇、資生堂、サッポロHDも高い。スギホールディングスが大幅高、アスクル、ロードスターキャピタルなども値を飛ばした。
