31日午前の日経平均株価は反落し、午前終値は前日比53円95銭安の2万7735円34銭だった。
きょう前場は強弱感が対立、前日の米国株市場で主要株指数が高安まちまちであったことで気迷いムードが漂うなか、若干売りが優勢の展開となった。グローバル景気の回復期待を背景に海運や鉄鋼など株価指標面で割安感のある市況関連株が買われる一方、新型コロナウイルスの感染拡大が警戒されるなか、陸運や保険、不動産、金融といった内需セクターに売りが目立った。
菅義偉首相が早期に党の経済対策を策定するよう指示したと30日夕に伝わった。市場では「国内景気を押し上げる対策への期待感から鉄鋼や機械関連株を後押しする材料になっている」との見方が出ていた。
中国の8月の非製造業購買担当者景気指数(PMI)は1年6カ月ぶりに好不況の境目となる50を下回ったが、「新型コロナや災害の影響で、人の移動が制限されていたため想定の範囲内」との声があった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)はともに反落した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆374億円、売買高は4億3692万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1157。値上がりは902、変わらずは118銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は陸運業、空運業、保険業などが下落。上昇は海運業、鉄鋼、精密機器など。
個別では、レーザーテックが売買代金トップで大幅高、日本郵船、商船三井など海運株も商いを伴い高い。日本製鉄、JFEなど鉄鋼株が買われ、リクルートホールディングスも上昇した。インプレスホールディングス、中山製鋼所、宮越ホールディングスなども買われた。
半面、中国でネットゲームが厳しく規制されると伝わり、ネクソンなどゲーム関連株が下落した。ソフトバンクグループが軟調、トヨタ自動車、ANAHD、電通グループが売られた。名村造船所が大きく値を下げた。京王電鉄、西武ホールディングスなど電鉄株も下げた。
東証2部株価指数は前日比13.56ポイント高の7642.71ポイントと続伸した。
出来高は7161万株。値上がり銘柄数は198、値下がり銘柄数は164となった。
個別では鈴与シンワートがストップ高。神島化学工業、ダイトーケミックス、日本精鉱、ヴィスコ・テクノロジーズ、安楽亭など9銘柄は年初来高値を更新。オーケーエム、北日本紡績、土屋ホールディングス、アルチザネットワークス、ビーイングホールディングスが買われた。
一方、日創プロニティ、古林紙工、DNホールディングスが年初来安値を更新。FRACTALE、東京ソワール、サイバーステップ、オリジナル設計、さいか屋が売られた。
