28日午前の日経平均株価は反落し、前引けは前週末比83円08銭(0.31%)安の2万6393円42銭だった。
きょう前場は、日経平均株価が前週末終値を挟み上下に不安定な動きを続けた。朝方安くスタートした後に切り返し、取引中盤に160円あまり上昇した。
しかしその後は再び売りに押されマイナス圏に沈んでいる。ウクライナとロシアの停戦協議の動向を見極めたいとの思惑から、売り買いともにポジションを積極的に一方向に傾ける動きはみられない。前週末に米国株市場はNYダウを筆頭に主要株価指数が大きく上昇したが、目先は米株価指数先物が軟調に推移していることで慎重なムードとなっている。
ロシアは原油や天然ガスだけでなく小麦や非鉄などの輸出も多く、供給が細れば「物価の上昇に拍車がかかって各国の中央銀行が金融引き締めの加速を迫られ、株式相場を下押しする」との見方がある。
一方で下値では買いが入り、日経平均は上昇に転じる場面があった。ウクライナ大統領府が27日、ロシア側の代表団と前提条件をつけずに停戦協議を行うと明らかにした。交渉の進展には懐疑的な見方が根強いものの、結果を見極めるまでは持ち高を一方向に傾けにくいこともあり、相場の一定の支えになった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は小幅に反落した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆4594億円、売買高は5億9409万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は623にとどまった。値上がりは1474銘柄、変わらずは82銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は卸売業、電気機器、輸送用機器などが下落。上昇は鉄鋼、海運業、非鉄金属など。
個別では、日本郵船、商船三井などの海運大手が高いほか、明治海運は急騰した。日本製鉄などの大手鉄鋼株も買いを集めている。任天堂が値を上げ、INPEXも上昇。日本製鉄やJFEが上昇。DOWAや住友鉱、大平金も高い。大阪チタニウムテクノロジーズ、日揮ホールディングスなども大きく水準を切り上げた。
半面、レーザーテック、東京エレクトロンが軟調、JT、リクルートホールディングスも冴えない。三井物産など総合商社株の下げが目立つ。塩野義製薬、中外薬や第一三共も売られている。ガンホー・オンライン・エンターテイメントも急落している。
東証2部株価指数は前週末比62.91ポイント高の7111.54ポイントと続伸した。
出来高は7679万株。値上がり銘柄数は296、値下がり銘柄数は96となった。
個別ではSDSホールディングス、コンテック、オプティマスグループが昨年来高値を更新。ジー・スリーホールディングス、インタートレード、技研ホールディングス、TBグループ、北日本紡績が買われた。
一方、日創プロニティ、デュアルタップ、大石産業、ファインシンター、東京自働機械製作所など6銘柄が昨年来安値を更新。スーパーバッグ、明治機械、日本ハウズイング、東京ラヂエーター製造、プレミアムウォーターホールディングスが売られた。
