16日のNYダウ工業株30種平均は小反落し、前日比39ドル09セント(0.1%)安の3万3553ドル83セントで終えた。
小売り大手ターゲットは、物価高などの影響で収益の勢いが大きく鈍化しているとして、繁忙期に当たる11~1月期の既存店売上高が「1桁台前半のマイナス」になるとの見通しを示した。同社の8~10月期の調整後1株当たり利益も市場予想を下回った。
半導体大手マイクロン・テクノロジーも、市場の状況を反映し、半導体メモリー材料の供給を減らすと表明。企業業績の先行き懸念が意識され、小売り株の一部や半導体株を中心に売りが広がった。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、ターゲットは13%安で終えた。2022年8~10月期決算に併せ、22年11月~23年1月期の業績見通しの下方修正を発表した。全米展開する大手チェーンだけに「年末商戦の消費への懸念を誘った」。ダウ平均の構成銘柄では映画・娯楽のウォルト・ディズニーやスポーツ用品のナイキなど消費関連株に売りが波及した。
ハイテク株の下げも目立った。前日まで、米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが鈍化するとの期待が買いを支えてきた。景気懸念を背景に16日は利益確定売りに押され、顧客情報管理のセールスフォースが4%安で終え、スマートフォンのアップルも反落した。
一方、ダウ平均の構成銘柄として比重が大きいディフェンシブ株は買われ、指数を下支えした。外食のマクドナルドや医療保険のユナイテッドヘルス・グループ、日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が高い。これらの銘柄がけん引し、ダウ平均は小幅高に転じる場面もあった。
ナスダック総合株価指数は反落し、前日比174.751ポイント(1.5%)安の1万1183.659で終えた。半導体関連株の下げが目立った。マイクロン・テクノロジーが生産削減計画を発表し、7%下げた。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やエヌビディアなど他の半導体株に売りが波及した。
【シカゴ日本株先物概況】
16日のシカゴ日経平均先物は反落した。12月物は前日比65円安の2万7920円で引けた。NYダウは、一部企業の業績見通し悪化が投資家心理の重しとなり、小反落した。同日の米株式相場が小幅ながら反落し、日経平均先物にも売りが波及した。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
27920 ( -120 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
27925 ( -115 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7351.19(-18.25)
16日のFTSE100種総合株価指数は続落した。前日に比べ18.25ポイント(0.25%)安の7351.19で引けた。16日発表の10月の英消費者物価指数(CPI)が前年同月比11.1%上昇と、前月から伸びが加速した。高インフレの継続が経済活動を圧迫するとの警戒感から売りが広がった。
個別では、オンライン食品販売オカド・グループが%5.7安と前日に続き急落。アングロ・アメリカン(3.1%安)など資源関連株もさえなかった。
個別では、メルセデス・ベンツ(6.2%安)やフォルクスワーゲン(4.2%安)など自動車関連株が売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14234.03(-144.48)
16日のドイツ株価指数(DAX)は5営業日ぶりに反落した。前日に比べ144.48ポイント(1.00%)安の1万4234.03で終えた。米小売大手の低調な見通しを受け、個人消費に対する懸念が強まり消費関連株に売りが出た。資本財株や化学株も売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6607.22(-34.44)
フランスCAC40種指数は0.52%安だった。
ウクライナ情勢の悪化懸念が高まり、売りが先行した。
