反落、国内感染者の急増が重荷

9日午前の日経平均株価は反落した。午前の終値は前日比84円98銭安の1万9268円26銭だった。
 
前日の米国株式市場は、新型コロナウイルスの拡大について、感染症の専門家が「来週以降に転換点を迎える」と述べたと伝わり、投資家心理が改善し大幅高となった。この流れを引き継ぎ日経平均株価は小幅高で始まった。
国内における新型コロナウイルスの感染拡大と経済活動の停滞に対する警戒感は根強い半面、米国など海外の感染拡大がピークを過ぎつつあるとの見方は下支え要因となった。鉄道や食品が下落し、造船や鉱業が上昇した。
 
ただ、前日まで先物主導の急ピッチの上昇が続いていたため、目先の利益を確定する目的の売りが優勢になった。
国内で8日に新たに確認された新型コロナの感染者数は500人を超え、過去最多を更新したことも重荷となった。市場では「新型コロナ感染の収束が見え始めた欧米と、これから新規の感染者数が増加していく可能性のある日本との差が意識されている」との声があった。
 
証券関係者は「9日夜に開かれる石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟国で構成するOPECプラスの会合に投資家の関心が向いている」と指摘。ファーストリテなど主要企業の決算を控えていることもあり、様子見気分が強かった。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆0414億円、売買高は6億1537万株だった。JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も反落した。東証1部の値下がり銘柄数は1255。値上がりは841銘柄、変わらずは72銘柄だった。

 


業種別株価指数(全33業種)では、陸運業、証券・商品先物取引業、食料品の下落が目立った。上昇は鉱業、海運業、ゴム製品など。
 
個別では、富士フイルムホールディングスが値を下げ、トヨタ自動車も軟調。NTTドコモが売られ、三井不、デンカも安い。JR西日本など陸運株も下落した。オイシックス・ラ・大地、ビックカメラが大幅安、インターネットイニシアティブも大きく利食われた。
 
半面、ソフトバンクグループが頑強な値動き国際石開帝石、資生堂も高い。スズキやSUBARU、資生堂、ファナックなどが高い。このほか、メディアカル・データビジョンはストップ高に買われた。
 
 
東証2部株価指数は前日比68.36ポイント高の5452.97ポイントと4日続伸。
出来高4653万株。値上がり銘柄数は278、値下がり銘柄数は112となった。
 
個別では、鉄人化計画が一時ストップ高と値を飛ばした。フォーシーズホールディングスは年初来高値を更新。ビットワングループ、リミックスポイント、日本インシュレーション、木村工機、リバーホールディングスが買われた。
 
一方、新内外綿、ボーソー油脂、ロブテックス、武蔵野興業、価値開発が売られた。

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