28日午前の日経平均株価は反落し、前週末比81円25銭安の2万8984円93銭で終えた。
前場は方向感なくもみ合うなかも、日経平均は前場終盤に下げ幅を広げ、結局前場は安値引けとなった。前週末のNYダウ上昇もそれに追随してリスクを取る動きに乏しい。
鉄鋼や海運など景気敏感セクターに高いものが目立ち全体相場を支えているが、半導体関連の主力株が売られるなど、電機や精密といったハイテクセクターに軟調な銘柄が多く、全体相場は盛り上がりを欠いている。
主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)がともに下げた。東京市場では東エレクやアドテストといった銘柄に売りが出た。
新型コロナウイルスの新規感染者数が足元で増えつつある。「市場に悲観ムードは広がっていないが、積極的に買いを入れるだけの材料が不足している」との見方があった。日経平均は75日移動平均(2万9072円)が上値抵抗として意識されており、主力銘柄には利益確定の売りも出やすかった。
一方で下値も限られた。2%超上がったファストリが指数を支えた。鉄鋼や海運といった景気敏感業種への買いも底堅さにつながった。
市場からは「やる気のない相場だ。今週は経済指標の発表が多く、見極めたいとの空気もあろうが、最近の月末安傾向を警戒している面もある」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は小幅に反落し、前週末比0.04%安かった。JPX日経インデックス400も反落した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で9518億円、売買高は4億2833万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は791、値上がりは1274、変わらずは125だった。
業種別株価指数(33業種)は鉱業、倉庫・運輸関連業、パルプ・紙などが下落。上昇は鉄鋼、海運業、小売業など。
個別では、レーザーテックが軟調で、東京エレクトロン、コナミHDやネクソンも売られた。INPEXやエーザイも冴えない。アイモバイルが急落、Jフロント、Robot Home、ブイキューブなどの下げも目立った。
半面、ファーストリテイリングが高く、任天堂もしっかり。日本製鉄、日立造、日本郵船が買われ、花王、セブン&アイ、日産自なども上昇した。ディー・エル・イー、ワイエイシイホールディングス、KIMOTOなども買われた。
東証2部株価指数は前週末比45.52ポイント高の7730.66ポイントと5日続伸した。出来高は1億2874万株。値上がり銘柄数は259、値下がり銘柄数は129となった。
個別では、セントラル総合開発、大運が一時ストップ高と値を飛ばした。コーアツ工業、金下建設、コメ兵ホールディングス、ビューティ花壇、トラストなど20銘柄は年初来高値を更新。大黒屋ホールディングス、セキド、グローバルダイニング、フジオーゼックス、川口化学工業が買われた。
一方、旭コンクリート工業、瑞光、ドリームベッドが年初来安値を更新。パレモ・ホールディングス、ウインテスト、ソケッツ、YE DIGITAL、東京コスモス電機が売られた。
