反落、円高など警戒も半導体関連は強い動き

 
5日午前の日経平均株価は反落し、前引けは前日比88円99銭安の3万7658円46銭だった。
朝方からリスク回避の地合いとなり、日経平均は下値を探る展開となった。前日の米国株市場でNYダウが5日ぶりに反落したことや、外国為替市場で足もと円高が進んでいることが、相場の重荷となっている。ただ一方で、日経平均寄与度の高い半導体関連株の一角が買われたことが全体を下支えしている。
 
米景気減速への警戒から円相場が1ドル=142円台へと強含むなか、自動車など輸出関連株が売られ、下げ幅は一時200円を超えた。半面、アドテストなど半導体関連株の一角が急伸したほか、海外短期筋とみられる株価指数先物の買い戻しも断続的に入り、日経平均は急速に下げ渋る場面があった。
 
市場関係者は「国内の企業業績の見通しと長期金利の水準から判断すると足元の日経平均の水準はおおむねフェアバリュー(適正価格)で、下値では買いを入れたい投資家は多い」と話す。米関税政策の動向については「『TACO(Trump Always Chickens Out、トランプ氏はいつも尻込みする)』と多くの投資家に見透かされており、日本株の下値が堅くなると海外短期筋による株価指数先物の買い戻しを誘発しやすい環境にある」と指摘した。
 
後場の日経平均はマイナス圏での推移が継続するか。昨日発表の米経済指標が弱含み、高い関税政策による景気の減速が意識されている。週末には5月の米雇用統計などの発表が予定されており、米経済指標を見極めたいとするムードも強まりやすく、改めて買い進む動きは想定しにくいだろう。
 
 



東証株価指数(TOPIX)は反落した。前引けは21.02ポイント(0.75%)安の2764.11だった。JPXプライム150指数も反落し、9.42ポイント(0.77%)安の1213.70で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆9645億円、売買高は7億4408万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は886。値上がりは676、横ばいは69だった。
 
業種別では、海運業、石油・石炭製品、輸送用機器などが下落した一方で、金属製品、陸運業、倉庫・運輸関連業が上昇した。
 
個別では、郵船や商船三井などの海運株のほか三菱重工業が冴えず、川崎重工業、IHIなども安い。任天堂、ソニーグループ、ソフトバンクグループ(SBG)、ファーストリテ、、キーエンス、サンリオなどが下落した。そのほか、江口氏の保有比率が再度低下で需給懸念が広がったベイカレントが大幅安、住友ファーマ、日本調剤、川崎汽船などが値下がり率上位となった。
 
一方、アドバンテストが売買代金断トツで大幅高、レーザーテック、東京エレクトロン、ルネサスエレクトロニクス、ソシオネクストなどの一部の半導体関連株が堅調に推移。また、フジクラ、古河電工、良品計画、メルカリなどが上昇した。豊田自動織機が堅調、楽天銀行が値を飛ばした。ほか、ダルトンの大株主浮上を材料視されたセンコーグループホールディングスが急騰、メンバーズ、ネットプロHD、双葉電子工業などが値上がり率上位となった。

 

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