22日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比348ドル99セント(1.0%)安の3万3027ドル49セントで終えた。
米商務省が朝方発表した2022年7~9月期実質GDP(国内総生産)の確定値は、年率換算で前期比3.2%増に上方修正された。個人消費や設備投資が引き上げられ、米経済の堅調さが示された。また、週間の新規失業保険申請件数は、21万6000件と前週比2000件増。悪化したものの、件数は市場予想を下回った。
景気や雇用情勢の堅調さが確認されたことで、インフレ抑制のための金融引き締め政策が長期化するとの懸念が強まり、投資家心理が悪化。株を売る動きが広がった。
また、ダウ平均の構成銘柄ではないが21日夕に半導体メモリーのマイクロン・テクノロジーが発表した四半期決算や見通しが市場予想を下回った。半導体株を中心にハイテク株全般で業績下振れ懸念が強まった。
マイクロンは2022年9~11月期の売上高が市場予想以上に落ち込み、最終損益は赤字に転落した。経営環境の厳しさが意識された半導体のインテルが下げ、ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルなどにも売りが波及した。
ダウ平均は800ドルあまり下げる場面があった。前日までの2営業日で620ドル近く上昇しており、前日に上げが目立った航空機のボーイングなどの景気敏感株にも利益確定売りが出た。
一方、売り一巡後は持ち高を手じまう動きもあり、引けにかけては下げ渋った。クリスマス前で市場参加者が少なく、値動きが大きくなりやすかった。通信のベライゾン・コミュニケーションズなど業績が景気に左右されにくいディフェンシブ株の一角が上げた。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前日比233.251ポイント(2.2%)安の1万0476.119で終えた。3%超下がり、10月に付けた年初来安値(1万0321.388)を下回る場面があった。米国での値引きなどが明らかになった電気自動車のテスラの下げが目立った。半導体のエヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)、半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)など半導体関連株も大幅安だった。
【シカゴ日本株先物概況】
22日のシカゴ日経平均先物は反落した。2023年3月物は前日比300円安の2万6110円で引けた。景気や雇用情勢の堅調さが確認されたことで、インフレ抑制のための金融引き締め政策が長期化するとの懸念が強まり、投資家心理が悪化。株を売る動きが広がった。同日の米株式相場が3営業日ぶりに反落し、日経平均先物にも売りが波及した。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
26110 ( -330 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
26140 ( -300 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7469.28(-28.04)
22日のFTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反落した。前日に比べ28.04ポイント(0.37%)安の7469.28で引けた。欧米中央銀行の金融引き締め継続による世界的な景気懸念は根強く、資源株や資本財株など景気敏感株に売りが出た。22日の米株式相場が下落していることも投資家心理を冷やした。
個別では、前日に急伸したオンライン食品販売オカド・グループが3.4%安と下落率トップ。アングロ・アメリカン(1.4%安)など資源関連株も売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13914.07(-183.75)
22日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前日に比べ183.75ポイント(1.30%)安の1万3914.07で終えた。欧州中央銀行(ECB)の大幅な金融引き締め継続の見通しが改めて強まり、景気悪化への警戒感から売りが出た。自動車や小売りなど消費関連株やハイテク株など幅広い銘柄が売られた。
個別では、フォルクスワーゲン(4.1%安)やメルセデス・ベンツ(3.2%安)など自動車関連株が下げた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6517.97(-62.27)
フランスCAC40種指数は0.95%安だった。
良好な米経済指標を受けて米利上げの長期化観測が高まり、反落した。
