反落 アップルが重荷、年間では25%高、4年ぶり上昇率

2017年の最終売買日となる29日のNYダウ工業株30種平均は前日比118ドル29セント安の2万4719ドル22セントで3日ぶりに反落した。
朝方は買いが先行したものの、閑散取引が続くなか株価動意材料に乏しく、節税目的の売りも広がって上値の重い展開となり、引けにかけて急落した。
懸念材料が出たアップルやゴールドマン・サックスが売られ、相場を押し下げた。
 
ダウ平均は年間では2年連続で上昇し、上昇率は25%となった。13年(26.5%上昇)以来4年ぶりの大きさだった。上げ幅は4956ドル62セントだった。
S&P500指数及びナスダック総合指数は、それぞれ19%、28%となった。
 
ナスダック総合株価指数は同46.771ポイント(0.7%)安の6903.389で終えた。アップルのほか、トランプ米大統領が米郵政公社(USPS)がわずかな宅配料金しか課していないと指摘したアマゾン・ドット・コムが下げ、指数を押し下げた。
 
セクター別では、食品・飲料・タバコや不動産が上昇する一方でテクノロジー・ハード・機器や自動車・自動車部品が下落した。
 
個別では、製薬のアラガン買収を計画していた際に違法行為を行ったとして提訴されていた件で和解したと発表した同業のバリアント・ファーマシューティカルズ・インターナショナルは下げた。ソフトバンクグループが株式を追加取得すると明らかにした同社傘下の米携帯電話スプリントは買い先行後、相場全体の下げにつれて小安く終えた。
 
石油・天然ガスの探査・生産のサンドリッジ・エナジーが買収撤回を発表した同業のボナンザ・クリーク・エナジーが急落。サンドリッジは急伸した。
 
一方、携帯端末のアップル(AAPL)は「iPhone」の一部モデルの動作速度を意図的に抑制していた問題で、ユーザーへの説明が不十分であったことを謝罪し、電池交換費用の引き下げを発表して売られた。一方で、製薬のアストラゼネカ(AZN)はJPモルガンによる投資判断引き上げを受け上昇した。
1日(月)は元旦の休日で米国株式相場は休場となるが、2日より通常取引となる。
 
VIX指数は11.04と上昇(前営業日10.18)。米主要株価指数は小幅に続伸して寄り付いたものの、年最終取引日の調整売りがじりじり進み、軒並みマイナス圏へ低下した。VIX指数は、限られたレンジで上昇傾向を継続。引け際に株価が下落を強めると、VIX指数は上昇幅を広げた。ただ、年間ベースでは北朝鮮リスクなどの懸念をくすぶらせつつも2年連続で低下し、市場の安定を印象づけた
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,719.22 -118.29
S&P500種
2,673.61 -13.93
ナスダック
6,903.389 -46.771
 
米10年国債(%)2.409   -0.024 
米30年国債(%)2.742   -0.013 
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,309.30 +12.10
NY原油(ドル/バレル)
 60.12 +0.28 29日 16:41
円・ドル
112.63 – 112.64 -0.09

ナスダック総合株価指数は46.771ポイント安の6903.389で終えた。アップルのほか、アマゾン・ドット・コムなど主力株の一角が売られ、指数を押し下げた。
 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は続落した。3月物は前日比90円安の2万2700円で引け、前夜の大取終値を50円下回った。円相場の続伸と米株安を手がかりに売られた。3月物は一時2万2565円まで下げた。この日の3月物高値は2万2875円。
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
22700 ( -50 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
22740 ( -10 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は3日続伸し、連日で過去最高値を更新して引けた。前日終値に比べ64.89ポイント高の7687.77だった。
年末最後の取引日となり、午後0時半で取引を終了した。中国などでの需要拡大期待から銅価格が大幅上昇し、投資家の投資意欲を誘った。
鉱業株を中心に幅広い銘柄に買いが広がり、構成銘柄の8割が上昇して引けた。2016年末の終値比では約7.6%の上昇となった。
アントファガスタ、資源商社のグレンコアの年間上昇率は、それぞれ約50%高、40%高だった。
 
個別銘柄では、保険のオールド・ミューチュアルが高かったほか、今月からFTSE100種入りした食品デリバリーのジャスト・イートの上げが目立った。
 
半面、住宅関連株が軒並み下落した。前日上昇したことから利益確定の売りが出た。キングフィッシャーやマークス・アンド・スペンサー(M&S)など小売り関連株が売りに押された。
 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は4日続落して取引を終了した。年末で短縮取引だった。終値は前日比62.30ポイント(0.48%)安の12917.64だった。構成銘柄の約8割が下落した。

個別では、航空のルフトハンザ、化学のBASF、医薬・化学大手のメルク、半導体のインフィニオンテクノロジーズがいずれも1%超、下落した。一方、中国の需要拡大期待から鉄鋼のティッセン・クルップが上昇した。

■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)      5,312.56     -26.86   

株ちゃんofficial xはこちら!
目次