23日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比176ドル44セント(0.5%)高の3万3203ドル93セントで終えた。
この日はクリスマスの祝日を含めて年末休暇を取得する市場関係者も多く薄商い。朝方発表された注目の11月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比5.5%上昇と、前月の6.1%上昇から減速したが、さほど相場を大きく動かす要因とはならなかった。
米連邦準備理事会(FRB)による利上げが長期化するとの見方から米長期金利が上昇。金利上昇の局面で割高感から売られやすい高PER(株価収益率)のハイテク株の一角が売られた。
明らかにした期待インフレ率の低下が好感され、プラス圏に浮上。その後は原油相場高を眺めて石油大手シェブロンが上げを主導し、ダウは堅調な値動きを維持した。原油価格は欧州などによる制裁を背景にロシア産原油の供給が減少するとの見通しが強材料となった。
ただ、市場参加者が限られる中、積極的に上値を追う展開とはならず、取引中盤以降は動意に乏しい値動きが続いた。
午前中ごろ発表の12月の米消費者態度指数(確報値)で消費者が予想する1年先のインフレ率が1年半ぶりの低水準となった。インフレ率は高水準ながらも縮小方向に向かうとの見方を誘い、株式の買い直しを促した。クリスマスの前で休みを取る市場関係者が多く、薄商いで値動きが不安定になったとの指摘があった。
米原油先物相場が23日は約3%上昇し、収益押し上げへの期待から石油のシェブロンや建機のキャタピラーが買われた。足元で売られていた化学のダウやクレジットカードのアメリカン・エキスプレスが買い直されたほか、保険のトラベラーズなどディフェンシブ株の一角も上げた。
ナスダック総合株価指数も反発し、前日比21.744ポイント(0.2%)高の1万0497.863で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムやネット検索のアルファベットが上昇した。一方で、スマートフォンのアップルや電気自動車のテスラなどは下げ、ナスダック指数は安くなる場面もあった。
【シカゴ日本株先物概況】
23日のシカゴ日経平均先物は反発した。2023年3月物は前日比105円高の2万6215円で引けた。この日はクリスマスの祝日を含めて年末休暇を取得する市場関係者も多く薄商い。朝方発表された注目の11月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比5.5%上昇と、前月の6.1%上昇から減速したが、さほど相場を大きく動かす要因とはならなかった。同日の米株式相場が反発し、日経平均先物にも買いが波及した。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
26215 ( +65 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
26240 ( +90 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
23日のFTSE100種総合株価指数は小幅に反発した。前日に比べ3.73ポイント(0.05%)高の7473.01で引けた。原油高を受けエネルギー株などが買われた。もっとも、欧米中央銀行の金融引き締め継続による景気懸念への警戒感は根強く上値は限られた。
クリスマスの祝日を控え、23日の取引は12時30分で終了した。26日と27日は祝日のため休場となる。
個別では、指数構成銘柄の約6割が上昇。包装資材大手DSスミスが1.7%高と上昇率トップ。エネルギー小売大手セントリカ(1.6%高)や鉱業大手アングロ・アメリカン(1.4%高)も堅調だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
23日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前日に比べ26.86ポイント(0.19%)高の1万3940.93で終えた。前日の下落で自律反発狙いの買いが優勢だった。前日に売られていた自動車株や化学株などが買い直された。
個別では、医療サービス大手フレゼニウス・メディカルケアと通販大手ザランドがともに2.1%高と買われた
■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は0.20%安だった。
連休を前に取引参加者が限られる中、積極的な商いは手控えられ、方向感の乏しい展開となった。
