反発後に伸び悩む、中東情勢の懸念重荷

 
17日午前の日経平均株価は反発し、前日比285円28銭(0.90%)高の3万1944円31銭で前場を終えた。
 
きょうは主力株をはじめ広範囲に買い戻される展開だった。前日の欧米株市場が全面高に買われたことを受けリスク選好の地合いとなった。日経平均は前日に650円あまりの急落をみせていたが、きょうは一気にその巻き戻しが入った格好だ。ただ、朝方に先物主導で一時600円高に買われる場面もあったが、その後は上げ幅を縮小し3万2000円台を下回る水準で前引けとなった。中東での地政学リスクが警戒されており、戻り一巡後は実需の売りに押された。
 
16日の米株式市場では主要な米半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が反発。東京株式市場でも前日に下げが目立っていた東エレクやアドテストなど半導体関連株に買いが波及し、日経平均を押し上げた。
 
ただ、中東情勢の悪化懸念は上値を抑えた。イスラエルとイスラム武装組織ハマスの衝突は続いており、市場では「先行き不透明感は和らいでおらず、相場は当面上値の重い状態が続く」との見方があった。トヨタが調達先の部品工場の爆発事故を受け、国内6工場の稼働を一部停止したと伝わり、一時下げに転じたのも投資家心理を冷やした。
 
イラン外相が戦線拡大を示唆するなど、決して楽観視できない状況が続いている。ドル・円は1ドル=150円手前で膠着状態となっているが、ここのところ日本の為替介入の有無に関し、鈴木財務相や神田財務官の発言が報道で取り上げられており、急激な動きには警戒したい。今晩は米国で9月小売売上高の発表を控えており、後場はこれを見極めたいとして大きな動きは控えられそうだ。引き続き個別の動きが見られている決算関連に注目してみてはどうだろう。
 
 


 
東証株価指数(TOPIX)が11.82ポイント高の2285.36と反発した。JPXプライム150指数は反発し、前引け時点で7.88ポイント(0.79%)高の1002.33だった。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆6077億円、売買高は5億7812万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1182と、全体の6割強を占めた。値下がりは585銘柄、変わらずは70銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)では、サービス業、精密機器、情報・通信業の上昇が目立った。下落はパルプ・紙、石油・石炭製品、非鉄金属など。
 
個別では、前引け時点で3000億円の記録的な売買代金をこなしたレーザーテックが堅調。このほか東京エレクトロン、ディスコなど半導体製造装置に主力株が買い戻された。ソフトバンクグループ、ソニーグループがしっかり、ダイキン工業も値を上げた。RPAホールディングス、菱洋エレクトロなども大幅高。リクルート、OLC、コナミGが上昇した。
 
半面、川崎汽船が冴えず、三菱重工業も軟調。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクもやや売り優勢の展開に。任天堂も見送られた。テラスカイが大幅安、インテージホールディングスなどの下げも目立つ。川重や三菱自は下落した。

 

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