反発し188ドル高、ハイテク株高が支え

 
17日のNYダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反発し、前週末比188ドル94セント(0.48%)高の3万8778ドル10セントで終えた。
ハイテク株や消費関連株に買いが入り、ダウ平均を下支えした。半面、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ時期を巡る不透明感が重荷となり、米長期金利の上昇が嫌気され、取引序盤のダウは軟調に推移した。
 
ただ、米IT大手アップルに買いが入ったほか、FRB高官が講演で年内2回の利下げシナリオもあり得ると表明したことに好感が広がり、ダウはプラス圏に転じた。
 
FRBが先週の金融政策決定会合後に公表した政策金利見通しでは、会合参加者が想定する年内の利下げ回数は1回だった。高官発言を受け、利下げ開始時期が想定ほど遅れないとの見方が浮上した。
 
17日朝発表の6月のニューヨーク連銀製造業景況指数はマイナス6.0と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(マイナス10.5)を上回った。米経済が底堅さを保っているとの見方は景気敏感株や消費関連株の支えとなった。政治情勢の不透明感から前週に大きく下げていたフランスの株式相場が上昇したことも投資家心理の支えになった。
 
人工知能(AI)に対する需要の高まりが米企業の業績を押し上げるとの見方が根強く、ハイテク関連を中心に買いが入った。ダウ平均の構成銘柄ではないが、アナリストが目標株価を引き上げたマイクロン・テクノロジーが上昇。ブロードコムなどのほかの半導体関連銘柄の上昇も目立ち、投資家心理の改善につながった。
 
市場では「ハイテク株の上昇が続き、株高に乗り遅れないようにするための買いが入りやすい」との指摘があった。複数の金融機関が2024年の米株価指数の目標を引き上げたことも、買い材料となった面がある。
 
取引開始直後に、ダウ平均は150ドルあまり下げる場面があった。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は16日の米CBSテレビで年内の利下げが12月の1回となる考えについて「妥当だ」との見方を示した。フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は17日、年内の利下げを巡って、「データ次第だ」と述べた。FRB高官が早期の利下げに慎重な見方を改めて示し、株式の売りにつながった。
 
ダウ平均の構成銘柄ではアップルとマイクロソフトが上昇。ナイキやアメリカン・エキスプレス、ハネウェル・インターナショナルも買われた。半面、ユナイテッドヘルス・グループとメルクが下げた。
 
ナスダック総合株価指数は6日続伸した。前週末比168.138ポイント(0.95%)高の1万7857.020で終え、連日で最高値を更新した。6日続伸は1月以来。半導体関連株の一角が上昇したほか、テスラも買われた。
 
S&P500種株価指数は反発し、前週末比41.63ポイント(0.76%)高の5473.23で終えた。2営業日ぶりに最高値を更新した。
 

【シカゴ日本株先物概況】

 
17日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前週末比85円安の3万8410円で終えた。この日は日経平均株価の下げ幅がほぼ2カ月ぶりの大きさとなり、シカゴの先物にも売りが優勢となった。
NYダウ平均は、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めが長引くとの警戒感が和らぎ、5営業日ぶりに反発した。
シカゴ日経225先物 (円建て)
38410 ( +410 )

 
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38470 ( +470 )

 
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】
 

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8142.15(-4.71)
 
17日のFTSE100種総合株価指数は小幅に3日続落し、前週末比4.71ポイント(0.05%)安の8142.15で終えた。フランスやドイツなどの株式相場につられる形で英国株相場も前週に下げていた反動から、朝方は高く始まった。ただ、今週半ば以降に英国の物価統計や英イングランド銀行(中央銀行)による金融政策が公表されるのを前に買いの勢いは鈍く、前週末の終値を挟んで一進一退の展開だった。

スイスのグレンコアなど資源株に売りが優勢で、FTSE100種指数の重荷となった。英アストラゼネカといった製薬株や公益株が下げた。一方で、英HSBCホールディングスなど銀行株に買いが入り、指数を下支えした。エネルギー株も上昇した。

FTSEの構成銘柄では、医療機器のコンバテックが3.78%安、投資会社メルローズ・インダストリーズが3.76%安、水道大手セバーントレントが3.6%安と値を下げた。一方、保険大手ビーズリーが2.90%高、小売大手B&Mヨーロピアン・バリュー・リテールが2.48%高と買われた。

 

 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18068.21(+66.19)

17日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反発し、前週末比66.19ポイント(0.36%)高の1万8068.21で終えた。ユーロ圏の政治不安を背景に、前週はフランス株とともに相場水準を大幅に切り下げていたため、目先の自律反発を見込んだ買いが入った。

個別では、通販大手ザランドが2.80%高、ドイツ取引所が2.11%高、分子診断大手キアゲンが1.79%高。他方、製薬大手バイエルは3.45%安、スポーツ用品大手アディダスは2.58%安だった。

 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7571.57(+68.30)

フランスの代表的な株価指数であるCAC40は3営業日ぶりに反発し、前週末比0.91%高で終えた。仏金融大手のBNPパリバとソシエテ・ジェネラル株がそれぞれ1%あまり上昇した。消費関連の銘柄にも買いが入った。一方で不動産投資信託(REIT)や公益株は下げた。

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