15日午前の日経平均株価は反発した。前引けは前週末比347円11銭(1.18%)高の2万9867円18銭だった。
米国株高を受けた今日の東京株式市場は買いが先行した。米国株高に加え、国内外で新型コロナ感染がピークアウトの様子となっていることや、取引開始前に発表された20年10-12月期のGDP速報値が実質前期比年率換算で12.7%増とQUICKが集計した民間予測の中央値9.5%増を上回ったことも安心感となった。
一方、引き続き高値警戒感が意識されたが、前場はリスクオンのムードがさらに広がり、日経平均は一時、1990年8月以来約30年6か月ぶりに3万円台に乗せた。
大規模な金融緩和が長引く一方、イエレン米財務長官は12日の主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で「今こそ大胆な財政出動に踏み切るときだ」と述べ、景気刺激策の期待が高まっている。米議会上院は13日にトランプ前大統領の弾劾裁判で無罪評決を下した。米国の追加経済対策が早期に実現するとの見方が広がり買いが優勢になった。その後は短期的な達成感で利益確定の売りも出た。
景気回復への期待感も支援材料だ。厚生労働省は14日に、米製薬大手ファイザーの新型コロナウイルスワクチンの製造販売を特例承認した。17日にも医療従事者に接種が始まる見通しだ。ワクチン普及により経済活動が正常化するとの思惑で、景気敏感株の一角には買いが入った。内閣府が15日発表した2020年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除く実質が前期比年率12.7%増と、市場予測の中央値(9.5%増)を上回り相場の支えとなった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は上昇し、それぞれ昨年来高値を上回っている。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆3625億円、売買高は7億709万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1152、値下がりは948、変わらずは91だった。
業種別株価指数(全33業種)は銀行業、電気機器、小売業などが上昇し、輸送用機器、空運業、不動産業は下落した。
個別では、21年3月期の最終損益が黒字転換する見通しを発表したオリンパスが急伸するなど、業績が想定より良好と評価された銘柄には買いが入っている。マネックスGは大幅高。三菱UFJ、三井住友の買いが厚く、野村、ソニー、東エレクが値上がりし、キーエンス、ファストリやソフトバンクグループ、ファナックが高い。エムスリーや第一三共、第一生命HDが買われた。
一方、SUBARU、三菱自、日産自、SOMPOが安い。JR東海が小安く、楽天やマツダ、ヤマハ発が下落している。
東証2部株価指数は前週末比45.21ポイント安の7387.94ポイントと10日ぶり反落した。出来高1億4378万株。値上がり銘柄数は188、値下がり銘柄数は233となった。
個別ではアートスパークホールディングス、SIG、SECかーボン、テクノスマート、リスクモンスターが売られた。
一方、JESCOホールディングス、フジ日本精糖、ユタカフーズ、メタルアート、川岸工業など6銘柄が昨年来高値を更新。STIフードホールディングス、ミズホメディー、コメ兵ホールディングス、ニッチツ、ファインシンターが買われた。
