反発、薄商いも買い優勢に

 
 
28日午前の日経平均株価は反発。前週末比114円42銭高の2万6771円03銭で終えた。
朝方はやや買い優勢も売り買いを交錯させていたが、その後は上昇指向に。手掛かり材料が少なく、薄商いのなかで上値を積極的に買う動きは見られなかったものの、売り圧力の乏しさが全体指数に浮揚力を与える形となった。
新型コロナウイルスの感染拡大は懸念材料ながら、各国政府の財政出動や中央銀行による金融緩和政策を拠りどころに利益確定売り圧力は限定的。半導体関連株などに物色の矛先が向いている
 
午前の取引時間前に、トランプ米大統領が自身のツイッターで米追加経済対策法案について「朗報がある」と言及。その後、取引時間中に米メディアなどが「トランプ氏が法案に署名した」と相次いで伝えたことで、米経済への悪影響が和らぐとの見方から買いが優勢となった。米株価指数先物が取引時間中に上げ幅を拡大すると日経平均もやや水準を切り上げ、午前の高値圏で終えた。
 
トランプ氏が署名を拒んで成立が遅れていた9000億ドル(約93兆円)の米追加対策に署名したと、日本時間午前にホワイトハウスが発表した。政府機関の一部閉鎖など、懸念されていた混乱が回避される安堵感が広がり相場を支えた。
日本時間28日午前の米シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)で、NYダウ工業株30種平均の先物で流動性が高い「Eミニ・ダウ工業株30種平均先物」の2021年3月物が24日の清算値比で一時上げ幅を100ドル超に拡大したことも支援材料となった。
 
ただ、新型コロナウイルス変異種の感染拡大など懸念材料も多く、上値は重い展開が続いた。28日から、全世界からの外国人の新規入国が21年1月末まで停止する。「Go To トラベル」の全国一斉停止も始まるなど経済活動の制限強化が景気を下押しする懸念が広がるなか、積極的に上値を追う向きは少なかったようだ。
 
市場関係者は「商いが薄い分、ちょっとした先物の買いでも上げ幅が広がりやすい」と話す。前場の東証1部は下落銘柄数が上昇銘柄の数を終始上回っており、年末らしい盛り上がりを欠く展開だった。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は続伸した。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で8523億円、売買高は4億7748万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は891と、全体の約4割。値下がりは1171銘柄、変わらずは121銘柄だった。
 
 


業種別株価指数(33業種)はパルプ・紙、電気・ガス業、陸運業、精密機器などが上昇した。下落は空運業、鉱業など。
 
 
個別では、ソフトバンクGが買われ、三菱重は5%高。東エレク、アドテスト、SUMCOなど半導体関連株が買われた。エムスリーが小高く、三菱UFJはしっかり。レノバは小幅続伸。JR東海、王子HDは値を上げた。
 
半面、シャープは大幅安。JT、ファーストリテが軟調で、ニトリHDは大幅続落。ANA、JALは売られた。国際帝石がさえず、郵船、日立造、ファナックが値を下げた。
 
東証2部株価指数は前週末比7.53ポイント高の6509.15ポイントと反発した。
出来高1億7394万株。値上がり銘柄数は182、値下がり銘柄数は231となった。
 
個別では、グローバルダイニングがストップ高。YE DIGITAL、ブルドックソース、ICDAホールディングス、アートスパークホールディングス、神島化学工業など9銘柄は年初来高値を更新。インスペック、ストリーム、セキド、FDK、松尾電機が買われた。
 
一方、サイバーステップ、RVH、梅の花、東京ソワール、フレンドリーが年初来安値を更新。オーケーエム、土屋ホールディングス、コーアツ工業、ラオックス、Abalanceが売られた。

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