16日午前の日経平均株価は反発し、前日比562円83銭(2.10%)高の2万7428円02銭で前場を終えた。
きょう前場は、主力株をはじめ広範囲に買い戻しが入り、日経平均は急反発に転じた。ウクライナ情勢については、国境付近からロシアが軍隊を一部撤収することを発表するなど緊迫の度合いが緩和された。これを受け前日の米国株市場が主要株価指数揃って大幅上昇に転じており、東京株式市場でも自律反発局面に移行している。日経平均は一時580円超上昇した。
主力の値がさ株や半導体関連の上昇が相場のけん引役となった。前日の米株式市場でも半導体関連の上昇が顕著だった。一方、米国や国内でも金利が上昇するなかで、金利上昇が株式相場の逆風になるとの見方から上値では戻り待ちの売りも出やすく、日経平均も朝方に付けた高値からは伸び悩んだ。地政学リスク後退を背景にしたニューヨーク原油先物相場の下落でINPEXなど資源関連の下げも目立った。
後場の日経平均は引き続き25日線を手前にしたもみ合いが続くと予想する。今晩の米国市場では重要な見極め材料が多く予定されている。これらを確認する前に一段の上値追いは想定しにくく、25日線や心理的な節目の2万7500円を手前に伸び悩む構図に変化はないと考えられよう。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は反発した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆4590億円、売買高は5億8701万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1772と、全体の約8割を占めた。値下がりは342、変わらずは67銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)はゴム製品、海運業、空運業などが上昇。下落は鉱業、石油・石炭製品。
個別では、東京エレクトロンが大幅高、アドバンテスト、ルネサスなどの半導体関連や、信越化、SMC、TDKなどのハイテク株が総じて大幅高。ANAやOLC、オープンドアなどのアフターコロナ関連の一角も高い。任天堂も高い。日本郵船など海運株への買いも目立ち、そのなか乾汽船は値上がり率で断トツとなる人気に。決算発表銘柄ではブリヂストン、アサヒなどが買われた。ベイカレント・コンサルティングも大幅高。このほか日本金属、マクロミルなどが株価を急伸させている。
半面、キーエンスが軟調、地政学リスク緩和を受けた原油先物価格の下落を材料にINPEXは大幅続落となった。ニトリHD、住友鉱も軟調。決算発表銘柄では、山崎パン、JACR、ピジョンなどが売られ、ツバキ・ナカシマが値下がり率トップに売り込まれ、ネットプロテクションズホールディングスも急落した。
東証2部株価指数は前日比48.00ポイント高の7223.69ポイントと3日ぶり反発した。
出来高は5348万株。値上がり銘柄数は283、値下がり銘柄数は88となった。
個別では、田辺工業が昨年来高値を更新。玉井商船、オプティマスグループ、東京ソワール、ジー・スリーホールディングス、兵機海運が買われた。
一方、児玉化学工業、AIメカテック、ユーピーアール、東海汽船が昨年来安値を更新。ロブテックス、エリアリンク、エスティック、湖北工業、アップルインターナショナルが売られた。
