反発、日銀総裁談話で買い戻し

 
2日午前の日経平均株価は反発し、午前終値は前週末比234円91銭高の2万1377円87銭だった。
前週末の米株安や、円高を受けて売り先行で始まったが、「潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努める」とする日銀総裁談話が公表されると、一転して買い戻しが優勢となった。
 
前週末の米国や欧州での主要株価指数の下落や、1ドル=107円台への円高進行が嫌気され、軟調に始まった。日経平均株価は一時前営業日からの下落幅が300円を超えた。
その後10時前に黒田東彦日銀総裁が「潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく」との談話を示すと、「売方が買い戻しに動いた」結果、日経平均はプラス圏に浮上。上げ幅は200円を上回り、振れ幅が大きくなった。
 
日銀は2日午前、新型コロナウイルスの感染拡大による経済の先行き不透明感が強まっていることを受け、「適切な金融市場調節や資産買い入れの実施を通じて、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく」との総裁談話を発表した。FRBのパウエル議長も2月28日に「我々は政策ツールを用いて、経済を支えるために適切に行動するだろう」とする緊急声明を公表。金融緩和への期待感から、先物を売り持ちにしていた短期筋から買い戻しが入った。
 
円相場が1ドル=107円台まで上昇したのも輸出関連株の売りを促したが、次第に買いの勢いが増した。JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は朝安後、上昇に転じた。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆6412億円、売買高は9億8326万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1926と、全体の89%を占めた。値下がりは206、変わらずは29だった。
 
業種別株価指数(全33業種)では、水産・農林業、サービス業、不動産業の上昇が目立った。下落は保険業、電気・ガス業、銀行業。
 


個別では、ソフトバンクグループ(SBG)、第一三共、ソニーが買い優勢となったほか、東京エレクトロン、アドバンテスト、エムスリーが大幅高に買われ、リクルートホールディングスも物色人気。オルトプラスがストップ高、KLabも大きく値を飛ばした。
 
半面、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクが冴えず、東京海上や三井物産も冴えない。アサヒグループホールディングスも値を下げた。このほか、有機合成薬品工業、ダイセル、中外製薬、塩野義なども安い。
 
 
東証2部株価指数は前週末比212.30ポイント高の6265.91ポイントと7日ぶり反発した。
出来高4471万株。値上がり銘柄数は340、値下がり銘柄数は117となった。
 
個別では、ファーマフーズ、インスペック、カワセコンピュータサプライがストップ高。アウンコンサルティングは一時ストップ高と値を飛ばした。兼松エンジニアリング、パシフィックネット、スターフライヤー、鉄人化計画、ウイルコホールディングスが買われた。
 
一方、小島鉄工所がストップ安。アイスタディは一時ストップ安と急落した。省電舎ホールディングス、工藤建設、南海辰村建設、中央ビルト工業、ツヴァイなど119銘柄は昨年来安値を更新。赤阪鐵工所、川本産業、ギグワークス、昭和化学工業、コーアツ工業が売られた。
 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次