28日午前の日経平均株価は反発し、前日比162円19銭(0.61%)高の2万6548円82銭で終えた。
27日の米株式市場でNYダウは反発し、61ドル高となった。中国経済の減速懸念が和らいだことなどを背景に値ごろ感から買いが入った。ただ、米金融引き締めや景気の先行きへの警戒感も根強く、前の日に809ドル安となった後としては戻りが鈍かった。日経平均はこうした流れを引き継いで43円高からスタート。好決算を発表した銘柄を中心に買いが入った。売り方の買い戻しに加え、値ごろ感が出たとみられた銘柄には見直し買いも入った。
主力企業の決算発表が本格化し、好決算を発表した銘柄に断続的な買いが入った。日経平均が2万6000円台前半に下落し、「2023年3月期の業績見通しなどから、割安感が意識された主力銘柄には買いが入りやすかった」との指摘があった。海外投資家からは日本株に見直し買いが入っていたとの声も出ていた。
新型コロナウイルスの感染が広がる中国の一部都市ではロックダウン(都市封鎖)が続いているが、感染拡大が落ち着きつつあるとの見方がある。中国景気の減速に対する過度な警戒が和らだことも、日本株の買い安心感につながった。東証業種別では鉄鋼、非鉄金属、化学といった景気敏感業種の上昇が目立った。
東証株価指数(TOPIX)は反発した。午前終値は前日比18.54ポイント(1.00%)高の1879.30だった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆4519億円、売買高は5億9359万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1276と、全体の約7割を占めた。値下がりは528、変わらずは34だった。
市場では、「注目されていたメタ(旧フェイスブック)の決算が市場予想を下回ったものの、時間外取引で米株価指数が上昇したことで、安心感を誘ったようだ。ただ、連休を控えることから、後場はポジション調整売りに注意したい」との声が聞かれた。
業種別株価指数(33業種)では鉄鋼、その他金融業、輸送用機器などが上昇。下落はサービス業、陸運業、その他製品など。
個別では、午前に決算を発表したデンソーは7.8%高だった。サイバーやキーエンス、アドバンテスト、TDK、信越化など好決算銘柄の上昇が目立った。ファナック、トヨタ、資生堂も高かった。ルネサスエレクトロニクス、フューチャー、フタバ産業、フジクラも値を飛ばした。
一方、日立建機やコニカミノルタ、関西電が下落。エムスリーやファーストリテイリング、アステラスも安かった。オリエンタルランド、任天堂も下落した。ZOZO、イビデンも値を下げた。
