反発、ダウ28ドル高 ハイテク株への買い戻し

27日のNYダウ工業株30種平均は前日比28ドル09セント高の2万4774ドル30セントで終えた。3営業日ぶりに反発した
 
朝方はハイテク株への買い戻しの動きから上昇したものの、閑散取引が続くなか節税目的の売りが広がったほか、原油安や長期金利の低下が嫌気され上げ幅を縮小した。
 
米長期金利の指標となる10年物の米国債利回りが一時、前日比0.07%低下した。金利低下を受けて、継続的な配当が見込める不動産や公益事業関連株が買われた。前日に3%近く下落したアップル(AAPL)が小幅ながら上昇するなど、足元で売られていたIT関連株の一角に押し目買いが入ったのも支えになった。
 
11月の米仮契約住宅販売指数は前月比0.2%上昇した。市場は横ばいを見込んでいた。住宅関連の経済指標の改善が続いており、住宅市況の改善が米景気の支えになるとの見方が投資家心理を明るくした面もあった。
原油先物相場が約2年半ぶりの高値を付けた前日に買われたエネルギー関連株の一角にも利益確定目的の売りが優勢になり相場の上値を抑えた。
 
ナスダック総合株価指数は前日比3.087ポイント高の6939.336で終えた。フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフトなど主力の一角が上昇して指数を支えた。
 
セクター別では、消費者・サービスや不動産が上昇する一方でメディアや自動車・自動車部品が下落した。
 
個別では、無線充電システムの開発を手掛けるエナゴウスが急伸した。26日に米連邦通信委員会(FCC)は、同社が開発したシステムを認可したと発表したのが好感され、株価は前日の2.7倍になった。損害保険のチャブ(CB)は税制改革により約2.5億ドルの利益を得ることを発表し買われた。
 
一方、電気自動車のテスラ(TSLA)は一部アナリストが10-12月期の「モデル3」の納車台数見通しを引き下げ下落した。
 
VIX指数は10.47と上昇(前営業日10.25)。米主要株価指数は軒並み小幅高で寄り付いたものの、ダウ平均がマイナスへ転じるなど不安定だった。
その後も持ち直す場面を挟みつつも伸び悩むさえない推移。変動率を反映するVIX指数は、低下局面を交えながらも上昇して、一時10.79と7日以来、約3週間ぶりの高水準をつけた。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,774.30+28.09
S&P500種
2,682.62+2.12
ナスダック
6,939.336+3.087
 
米10年債利回り(%)
2.4125 -0.055
米2年債利回り(%)
1.895 -0.008
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,291.40+3.90   
NY原油(ドル/バレル)
59.59-0.38
円・ドル
113.24 – 113.25   +0.06


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は小幅続伸した。3月物は前日比45円高の2万2915円で引け、大阪取引所の終値を25円上回った。米株式相場の反発を好感した買いが優勢になった。
もっとも、年末を控えて上値を追う勢いは限られ値幅は限定的だった。この日の3月物の高値は2万2950円、安値は2万2860円。
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
22915 ( +25 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
22945 ( +55 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7620.68(+28.02)
FTSE100種総合株価指数は反発した。前週末22日の終値に比べ28.02ポイント高の7620.68と、21日に付けた最高値を更新した。鉱業関連株中心に買いが広がり、構成銘柄の約7割が上昇した。株価指数の上げも大きくなったが、取引終了間際に伸び悩んだ。
 
銅価格が上昇し一時は約3年半ぶりの高値を付けたことなどを背景に、鉱業関連株が軒並み買われた。フレスニージョは3%超の上昇。アントファガスタと資源商社のグレンコアの上げも大きくなった。
石油株も上昇した。原油価格が高値圏で推移したことが好感された。ロイヤル・ダッチ・シェルは、米国の税制改革法案制定が事業に好影響を与えるとの見通しを示したことも買い材料となった。
 
半面、携帯電話サービスのボーダフォン・グループと、航空機エンジンのロールス・ロイス、建設資材のファーガソン、欧州有料テレビ大手のスカイは下落した。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13070.02(-2.77)
ドイツ株式指数(DAX)は小幅に続落した。終値は前週末22日に比べて2.77ポイント安の13070だった。日中を通して方向感の定まらない不安定な展開が続いた後、小幅安で引けた。
ドイツ銀行と、放送大手のプロジーベンザット1メディア、自動車のフォルクスワーゲンの下げが目立った。
一方で、不動産のボノビアと、医薬・化学大手の独メルク、鉄鋼のティッセン・クルップは買われた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5368.84(+4.12)

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