24日の米株式相場は反発した。NYダウ工業株30種平均は前日比167ドル80セント高の2万3441ドル76セントと2営業日ぶりに過去最高値を更新した。
複数の主要企業決算が堅調な内容となり、買いが先行した。10月マークイット製造業PMIが予想を上振れたほか、税制改革への期待から堅調推移となったが、高値警戒感から上値は限られた。ダウは史上最高値を更新した。
好決算を発表した建機のキャタピラーや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)が上昇し、ダウ平均を押し上げた。
キャタピラーとスリーエムが発表した2017年7~9月期決算は市場予想を上回り、併せて17年12月期通期見通しの上方修正を発表した。両社の株価は大きく上昇し、2銘柄でダウ平均を135ドル押し上げた。
7~9月期に既存店売上高が世界で増えた外食のマクドナルド、売上高や1株利益が市場予想を上回った自動車のゼネラル・モーターズ(GM)も上昇した。機械や自動車など景気敏感とされる業種で好決算が相次ぎ、世界景気の拡大が米企業業績を押し上げるとの見方が広がった。
また、好調な景気指標に後押しされ、米長期金利は一時5カ月半ぶりの高水準を付けた。利ざや拡大期待からJPモルガン・チェースなど金融株が買われたことも相場全体を押し上げた。
ナスダック総合株価指数は同11.604ポイント高の6598.430で終えた。バイオジェンなどバイオ製薬の一角が売られたのが響き、ダウ平均に比べて上値が重かった。
セクター別では、自動車・自動車部品や銀行が上昇する一方で医薬品・バイオテクノロジーやメディアが下落した。
個別では、新型スマートフォン「IphoneX(テン)」の年内出荷量が当初計画の約半分にとどまる見通しと伝わったアップルは売りが先行したが、好地合いにつれられて上げて終えた。事務用品などのスリーエム(MMM)と建設機械のキャタピラー(CAT)は好決算を発表したほか、通期見通しを上方修正し、ともに上昇。
一方、決算で1株利益が市場予想を下回った航空防衛のロッキード・マーチンは売られた。家電のワールプールが急落した。家電のワールプール(WHR)は決算内容が嫌気されたほか、小売大手のシアーズ・ホールディングス(SHLD)が同社製品の取り扱いを停止することを明らかにして大幅下落となった。
フォームの始まり
NYダウ工業株30種(ドル)
23,441.76+167.80
S&P500種
2,569.13+4.15
ナスダック
6,598.430+11.604
NY原油(ドル/バレル) 52.48 +0.01
円・ドル113.89 – 113.90 +0.23
米10年債利回り(%)
2.4244 +0.043
米2年債利回り(%)
1.5851 +0.009
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は3営業日続伸した。12月物は前日比255円高の2万1905円で引け、同日の大取終値を95円上回った。
企業の好決算を受け米株が反発し、日本株にも買いが波及した。引けにかけて円高に振れた場面ではやや伸び悩んだ。この日の12月物高値は2万1930円、安値は2万1625円。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
21905 ( +95 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
21930 ( +120 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7526.54(+2.09)
FTSE100種総合株価指数は小幅ながら3日続伸。前日23日の終値に比べ2.09ポイント高の7526.54で引けた。構成銘柄の半数以上が上昇した。前日終値を挟んでもみ合った。資源株と銀行株が指数を押し上げる一方で、レジャー・外食のウィットブレッドが大幅下落したほか、医薬品やたばこ株が売られ指数の上値を抑えた。
銅価格の上昇を背景に鉱業株が軒並み上昇した。とりわけアナリストが目標株価を引き上げたアントファガスタと資源商社のグレンコアが高かった。ただ、金価格は下落したことで関連のフレスニージョは下げた。石油株も上昇した。
半面、ウィットブレッドが5%近く下落した。上期決算でホテル部門は好調だったものの、コーヒー店業が振るわず、既存店ベースで減益となったことが売り材料視された。
景気動向に左右されにくい医薬品株とたばこ株はともに全面安となった。ガス供給・販売のセントリカや水道のセバーン・トレントなどの公益事業株も売りに押された。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13013.19(+10.05)
ドイツ株式指数(DAX)は3日続伸。終値は前日比10.05ポイント高の13013.19だった。
コメルツ銀行が6%高となり、大幅上昇した。イタリアのウニクレディトなど欧州の銀行との合併に備えた対策を始めたようだと一部通信社が伝えた。ドイツ銀行も高くなった。フォルクスワーゲンをはじめ自動車株も上げた。
一方、ドイツ取引所が安かった。化学のBASFも下げた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5394.80(+7.99)
欧州の主要株式市場も銀行株を中心に上昇した。イタリアのFTSE・MIBで、ウニクレディトは約2%高となった。
