先物主導、米株高や日銀の緩和姿勢が支え

 
8日午前の日経平均株価は反発し、午前終値は前日比618円50銭(1.71%)高の3万6738円42銭だった。昨年来高値を上回る水準。
 
きょう前場の東京株式市場は朝方からリスク選好の地合いで、日経平均は上昇して始まったが、前場取引後半になって上げ足を一気に強める動きをみせた。前日の米国株市場でハイテク株中心に買われた流れを受け、東京株式市場も強気優勢の展開だった。買い一巡後は3万6000円台半ばでもみ合っていたが、金融経済懇談会での内田日銀副総裁のハト派発言が伝わると、先物主導で日経平均は一気に上げ幅を広げた。前引けは600円を超える上昇でほぼ高値引けとなり、3万6700円台まで水準を切り上げている。
 
7日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、終値で3万8677ドルと最高値を更新した。米経済のソフトランディング(軟着陸)期待などを背景に買いが入った。画像処理半導体のエヌビディア株が堅調で、ナスダック総合株価指数も続伸。東京市場でも東エレクやアドテストなどハイテク関連株に買いが波及した。1ドル=148円台前半の円安・ドル高を支えに輸出関連株も高かった。
 
英半導体設計大手アーム・ホールディングスが米国時間7日夕に発表した決算が市場予想を上回り、同社株が米時間外取引で急騰。アームを傘下に抱えるソフトバンクグループ(SBG)株が買われ、日経平均を1銘柄で128円押し上げた。
 
日経平均は前場中ごろから騰勢を強めた。日銀の内田真一副総裁は8日午前に奈良県金融経済懇談会で挨拶し、マイナス金利解除後について「どんどん利上げをしていくようなパス(道筋)は考えにくく、緩和的な金融環境を維持していくことになる」との認識を示した。内田副総裁の発言を受けて、株価指数先物に海外短期筋とみられる買いが入った。
 
アジア株式市場では、上海総合指数が上昇する一方、香港ハンセン指数は下落とまちまち。後場は中国株と為替をにらみつつ、日経平均が終値ベースの直近高値(1月22日の3万6546円95銭)をクリアできるかが注目だろう。一方、決算発表はピークを迎えており、後場も決算発表銘柄を中心に活発な売買が入る公算は大きいだろう。
 

 


東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引けは11.79ポイント(0.46%)高の2561.74だった。昨年来高値を上回る水準だ。JPXプライム150指数は反発し、6.51ポイント(0.58%)高の1135.86で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆7821億円、売買高は9億7473万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は455。値下がりは1157、横ばいは45だった。
 
業種別株価指数(33業種)は輸送用機器、その他金融業、その他製品などが上昇。下落は電気・ガス業、繊維製品、陸運業など。
 
 
個別では、レーザーテックが買われ、任天堂が上げた。ソフトバンクグループも活況高。トヨタ自動車の上値追いも鮮明。アドバンテスト、ルネサスエレクトロニクス、東京エレクトロンなど半導体関連の上げ足が目立つ。ファーストリテイリングも上昇した。協和キリン、日本カーバイド工業、インテリジェント ウェイブなどが買われた。
 
半面、川崎汽船が上昇一服、KDDIも軟調。スズキが大きく値を下げた。ディー・エヌ・エー、三菱製鋼が急落、カシオ計算機、花王も売られた。
 

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