東証グロース市場は決算発表など重要イベントを前に買いが強まらず、手じまい売りなどに押され気味だった。29日の米株式市場でダウ工業株30種平均が下落したのを受け、国内の新興市場にも売りが波及した。日経平均株価は朝安後上昇に転じたが、新興市場では個人投資家などの様子見姿勢が根強かった。
市場では「東証グロース市場をけん引していくと期待されていた直近の新規株式公開(IPO)銘柄のタイミーの軟調な推移が、新興株全体の買いが見送られる要因の1つとなった可能性がある」との声が聞かれた。
また、「最近は信用評価損率がかなり低かったため、10%台前半の評価損率でも投資意欲にはマイナスになっている」という。売買代金上位には個別に大きく値を上げる銘柄も見られたが、「値動きの軽いものなど、限られた銘柄に資金が集中した」とされ、グロース市場全体では値下がりする銘柄が多かった。
グロース250とグロースCoreはともに下落。
東証グロース市場250指数は3営業日ぶりに反落した。終値は前日比8.65ポイント(1.32%)安の646.37だった。
グロース市場ではコーディアやセルシードが下落した。一方、モダリスやソレイジアは上昇した。
値上がり銘柄数198、値下がり銘柄数341と、値下がりが優勢だった。
きょうグロース市場に上場したハートシードは10時4分に公開価格(1160円)を388円(33.44%)上回る1548円で初値を付け、終値は初値比32円(2.06%)高の1580円だった。
個別ではAmazia、坪田ラボ、WASHハウスがストップ高。ジェイグループホールディングス、ビリングシステム、ソレイジア・ファーマ、モダリス、識学など8銘柄は年初来高値を更新。SBIリーシングサービス、ペルセウスプロテオミクス、フィーチャ、ステラファーマ、ヒューマンテクノロジーズが買われた。
一方、Chordia Therapeuticsがストップ安。カウリス、タイミー、Liberaware、ジェイフロンティア、リネットジャパングループなど20銘柄は年初来安値を更新。FFRIセキュリティ、ニッソウ、LeTech、ストレージ王、スマートドライブが売られた。
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